挿話 この最愛の愛娘にも祝福を。「めあねすの憂鬱」

finfen

挿話 めあねすの憂鬱


「……ぁ……ん………や……ぁん……」




……ん?




ふぁーぁ…。


また始まっちゃってる。




もぅ。こっちゃんってば、みーちゃん好き過ぎなんだよー。


まっ。あんなに愛おしそうな顔を見てたら、こっちも幸せな気分になるんだけどねー。


「……んっ……やっ…ぁ…っ…イっちゃぅ……やぁん…」


ふぇぇ。

みーちゃん真っ赤になって痙攣しちゃってるー。

もぅ。こんなに狭いテントなのにー。

寝ぼけておしっこ行くふりして外に出ちゃおう。よし。


「……にゃぁー。かあさまー?おしっこー。」


「…………………………」

「…………………………」


ふふ。二人とも黙っちゃった。

…じゃぁテントを出て少し散歩でもしよっかな。


寝ぼけた感じでふらふらとテントを出る。

外はすっかり真っ暗だ。

深夜なのよねー。

何時だか分かんない。


こっちゃんこと、こめっこ叔母さまと、みーちゃんこと、えいみー叔母さまと私は、かあさまに教えて貰った新しいエクスプロージョンの練習とレベル上げを兼ねた、簡単なクエストを受けて、ここアルカンレティアの近くの泉に来ている。


クエスト自体は大したことないもの。

泉に巣くってしまったブルータルアリゲーターの退治。

ある日突然泉の水質が悪くなって、いつの間にか住みついてしまったらしい。


夕方に到着したとこだし、今日は一晩キャンプして、明日の朝から退治しようって話になってんだけど……


まだ高校にあがったばっかりだよー?

もぅとっくに成人してる大人な二人と同じテントで寝るのって、すっごい刺激が強すぎー。


ふぅぅ。


でも、

こっちゃんの気持ちも解る気はするんだけどねー。

だって、みーちゃん。

すっごい綺麗なんだもん。


女の子の目から見ても、ほぉぉってなるほど綺麗。


おっぱいすっごいおっきいし、ちっちゃいのにぐらまーさんだし、あの紅魔族譲りの切れ長の真っ赤な瞳で見つめられたら……私だってクラクラするもんね。


裸は何度も見てるけど、もぅなんていうか……女神様みたいに神々しいの。


おしとやかなのに誰よりも強くて、誰よりも優しい。

かあさま曰く、ライトエルフであるみーちゃんの御母様そっくりなんだって。


学生時代から、ファンがいまだに追っかけて来てるくらい、男のひとにも女のひとにも大人気。

紅魔族とライトエルフのハーフなんだけど、やっぱしお互いの良いとこばっかり取ってるんだろうなー。


でも……

みーちゃん気持ちよさそうだったな……


うー。ダメダメ。

私までなんだか変な気分になって来ちゃった。


少し離れた場所からテントを見ると、微かにテントが揺れてる。

何してるんだろう?


潜伏スキルで足音を殺して、近づいてみる。

荒っぽい息づかいと、微かにみーちゃんの苦しそうな声がする。



「……ぁ…つい…て……も…っと……ダメっ…イくっ…」



ふわぁぁぁ。

なんだかはっきりとは分かんないけど

これがせっく○ってヤツだろうなー。

ふぇぇぇ。


まぁ。

普段ベタベタしてると、いつもかあさまに怒られてるし、こんな時じゃないとベタベタも出来ないし、でも二人とも本当に心から愛しあってるのは知ってるし、私もそれは応援したいし、本当に本当に良いのだけれども。



蚊がすっごいよー。

かゆいよー。

いつ戻ったらいいのー?


これからも私たちのクエストって

ずーっとこんな感じなのー?


帰りたーい。

かあさまー。


ぐすん。




─その頃天界では


膝を抱えて泉のほとりでしくしく泣くめあねすを見下ろして、エリスが大きなため息をついた。


「………本当に世界を救えるの…よね…?」




つづく。









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