街で出会った少女の場合


 ※現代にするか、過去にするか?


 ※大抵は白のイメージ、不思議な感じ?


 ※ただし、悲劇の予感がやめておこう? もう、それはやったし。



 妹の死をみとってから時が流れた。

 彼は明晰な頭脳の青年となり、大学で知り合った可憐で美しい令嬢と婚約した。

 あの時の事は心の隅に追いやっていたはずだった。あの少女と出会うまでは……。


 街で白いドレスの少女を見かける。まるで妹が美しく成長したかのようだった。

 この寒空に、何故あのように、薄い透き通った衣裳なのか。他の人々は、何故それに、違和感を覚えず、眼に留めることなく、行き過ぎるのか。


 それは現実の中にあって、非現実的で、妖精めいていた。

 彼は恋人のことも、何もかも忘れ、人込みをかき分けて、狂ったように、彼女を追う。


 けれど、見失い、ふと気がつくと、雪が降り始めていた。

 白い鳥が――。


(自作『ノゥスィンカの小鳥』より オルタナティブ・悪夢のエンドレスリピート)

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