第35話 醒めない夢
35.
~深山康文と果歩の結婚生活 (32)
斉藤さんが店を辞めてからは、毎日でも店をcheckしてやるぅと息巻いて3日続けて1人で店の様子を見に行った。
彼らがふたりでいるか、各々ひとりでいるか。
当然といえば当然だよね。
必ずひとりは店にいないといけないわけだから、
ニャンニャンしている時間はない。
あ~あ、私ってアホだなぁ~って3日めに虚しくなった。
はぁ~、何やってンだろう、私。
とは言え、なんとかして夫の浮気の証拠を掴みたくてしょうがなかった。
うやむやの状態で過ごす日々は頭と心がどうにかなりそうだった。
そしてこの頃夫は仮眠を店の倉庫でとったりするようになり、
家に帰る頻度が減っていった。
荷物が増えてどうしても倉庫が使えない時に家で仮眠をとるような生活だ。
何か、イラついているのが分かる。
私には分かる……分かってしまう。
斉藤さんか゛いなくなって人手が足りず、仲間とニャンニャンする
お楽しみが出来なくなったからに違いない。
ストレスだな。
しかしなぁ~、妻の私と出来なくてストレスっていう
わけじゃなくて、若い女の子と出来なくてストレスって
なんなのよ全く。
『バカにしてンじゃないぞ、ゴラァ』……と心で罵倒しながら
反面、私はものすごく虚しさを感じてもいる。
はぁぁ~、ため息が出てしようがないわ。
何かぁ、なんかぁ、とにかく動かないかなぁ、今の停滞している状態が
動いてくれないかなぁ、そんな風に考えてその後を過ごした。
そして、もうホントにあぁぁぁぁぁぁとストレスマックス
になった日、私はまた娘を母に預けて店に走った。
例によって店の中の様子を伺った。
気がつくと私は、よっしゃぁ~ってガッツポーズしてた。
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