An endless & sweet dream 醒めない夢 加筆修正版 2022年度
設樂理沙
第1話 醒めない夢
コンビニを始めた頃
妻--- 深山果歩 かほ 26才
夫--- 深山康文 やすふみ 26才
娘--- 深山 碧 あお 2才4ヶ月
果歩を撥ねた?人---溝口啓太 31才
深山康文(夫)の不倫相手----モニカ
深山正一--康文の父 58才
深山妙子--康文の母 53才
深山康文 大手商社--ブラック企業--フランチャイズのコンビニを経営
果歩の弟---- 黒田祐一郎 22才
果歩の母親---黒田澄江 51才
果歩の父親---黒田太郎 55才
斉藤真紀子 (コンビニ従業員1) 42才
仲間友紀 (コンビニ従業員2) 22才
菅田(スダ)慎 (コンビニ従業員3) 19才
浅田美世子 娘の恩人 38才
大場達彦 仲間友紀の婚約者(幼馴染) 24才
大場茂 達彦の従姉弟 レントゲン技師 32才
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1.
私の夫は聞く耳持たずで私や私のほうの両親そして義両親
とあらかた近しい親族全員からの反対を押しきって会社退職後
大手系列のコンビニを始めた。
所謂フランチャイズ経営ていうヤツだ。
夫がやりたがった理由はひとつだけではなかった。
元々大手の企業に勤めていてそのまま行けば順風満帆な
サラリーマン生活を終え、優雅とまではいかなくとも
私も手に職をもつ身であれば、ふたりの年金でそこそこ
安泰な老後を迎えられたのではなかったろうかと思う。
しかし、夫はもっともしてはいけないことをやらかして
しまったのだった。
・・・
私と夫との出会いは大学時代のバイト先だった。
大学は違っていた。
就職もまったくお互い違う職種だった。
私の母親は結婚後はずっと専業で過ごし、結婚後
数年間を除き、ずっと父親に不満を持ち続けてきた人で。
母の口癖は、女も手に職を持たないとだめなのよ、だった。
中学になった頃から、折りにふれ母からこの呪文を聞かされ
てきた私が選んだ職種は看護師だった。
両親が些細なことで喧嘩になると、いつも下手に出て口を
閉ざすしかない母親の姿を見て、母の言い分は充分に理解
できた。
大学生になった頃、周りの友達たちがOLになって素敵な彼を
見つけて結婚したら、子育てに専念したいし旦那さんにも
尽くしたいから絶対共働きなんてしないわ・・というのを
耳にしていたけれど、その頃にはすっかり私の中からそんな
甘い発想は1mmも湧いてはこなかった。
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