第六章「上陸作戦」

ところ変わり、神奈川県横須賀鎮守府。


奇襲作戦を成功させた海軍司令部たちは、次なる作戦をと会議を始めていた。


海軍大臣「本日はお忙しい中ありがとう」


軍幹部達「いえいえ、それより今日は次なる作戦を計画するんですよ

     ね?」


海軍大臣「そうだ、偵察員スパイからの情報によるとアメリカは

     今回の奇襲で我々の想像以上の打撃を受けたらしくてな。

     これを期にレーダー開発により一層力を入れるつもりらしい」


軍幹部達「なるほど、次の作戦ではレーダ開発をしている研究所を

     攻撃するのですか?」


海軍大臣「いや、今回の目標は「」だ」


軍幹部達「なるほど!ではさっそく作戦を!」



そうして、数時間の議論の上完成作戦内容が以下のとうりである。


 一、陸軍と海軍陸戦隊から上陸作戦の志願者を募る。


 二、志願者が集まり次第旭日演習場に集め、作戦内容の確認や準備を

   整える。


 三、旭日海軍基地から松田艦隊に利根と筑摩を加え出港させる。


 四、旭日貨物港から上陸部隊を輸送船団に乗船させ出航させる。


 五、旭日海軍基地から出向させた松田艦隊と合流後目標に進軍する。


 六、目的地であるメープル西海岸に着き次第、上陸を開始する。


そして、計画が完成してから半年後の1953年8月20日

ついに、計画が実行に移される時が来た。


志願者は当初軍部が予想していた陸軍から1000万/100万(全体の十分の一)

               海陸から500万/100万(全体の五分の一)


よりも、遥かに多い陸軍から1000万/500万(全体の二分の一)

         海陸から500万/500万(全員参加)


と言う、数多くの参加者がいたが大半は基地防衛の兵士不足や人数オーバー

により、最終的には陸軍から10万人

         海陸から5万人になった。


そうして集まった上陸部隊は松田艦隊と共に太平洋へと出港したのであった。


 1953年9月1日、今回の目的地である「西海岸」に到着。

上陸を開始したのであった。

上陸した部隊はいくつかに分かれ、横一列になる形で前進を始めた。

 当初は迎撃をしてきたカナダ軍の力も次第に弱まっていった

1953年10月1日、カナダが降伏した。


カナダを占領した日本は、米国の攻撃に備えカナダ各地に

陸・海・空各基地の建設を急いでいる1954年2月25日。カナダ各地の日本軍基地が空襲を受けた。

 米軍は、カナダ各地の基地をしばらくの間使用不能に追い込んだ

と思い込んでいた。

 しかし、米軍が空襲を行ったこの基地は前線の仮の基地であったのだ。

空襲を受けた一ヵ月後、仮の基地の後方にあるの基地が完成した。


この基地の完成はラジオで大々的に報じられた。以下の内容は実際に放送された

ラジオの内容である。


「カナダに上陸した我が勇敢なる陸鷲は瞬く間に上陸を完了せさました」


「カナダ軍の防衛をものともせず、僅か一週間で都市を陥落させました」


「上陸から一か月後カナダ無条件降伏。我が陸鷲は前線基地の建設に

 取り掛かるのであります」


「そして、建設開始から僅か二ヵ月で前線基地を完成させました」


「国境には厳重な警備が敷かれ、カナダ国民をアメリカの脅威から

 保護しました」


 敵前線基地を使用不能に追い込んだと勘違いをしていた米軍が、その勘違いに気が付くまでに時間はいらなかった。


 大統領「どうして、仮の基地だと気が付かなかったのだ!」


 空軍大臣「申し訳ありません、大統領」


 秘書「いっその事、このような無能はクビに…」


 空軍大臣「そ、それは!」


 大統領「確かに我が米空軍のトップがこの有り様ではなぁ…」


 空軍大臣「………」


 秘書「しかしながら大統領、彼にもう一度だけチャンスを

    与えてはいかがでしょう」


 大統領「なぜこんな奴にチャンスを与えなければならんのだ!」


 秘書「(大統領の耳元で)大統領、これで奴がもう一回失敗を犯せば

    奴を確実にクビできます」


 大統領「なるほど…。では、そうしよう」


 大統領「空軍大臣もう一度だけチャンスを与える。次は成功させるように」


 空軍大臣「は!期待に応えて見せます!」


その頃、日本軍司令部では…


 軍幹部達「どうやら米軍は前線の仮基地を本基地と誤解していたみたいですな」


 海軍大臣「どうやらそのようだな」


 軍幹部達「そのおかげで無事に基地も完成しました」


 海軍大臣「おお、ついに完成したか」


 軍幹部達「突貫工事だったので、いくつか不備があると思いますが

      大丈夫でしょうか…」


 海軍大臣「なに、これだけの短期間で準備してくれたんだ。

      文句はないさ」


 軍幹部達「では、いよいよですね」


 海軍大臣「ああ、そうだ」


 軍幹部達「では、準備を急がせます」


 1952年1月5日、年が明けてまだ間もないと言うのに、

日本の工場がフル稼働で動き始めた。対米戦の準備のためである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る