第2話 仕事
田舎に戻り
折り込み広告で職を探す。
ピンと来る仕事は何も無い。
45歳の再就職となると、色々問題も出てくる。
1. 上司が年下(出来れば年上の方が良い)
2. 僕はプライドが高い(鳴り物入りで入社したい)
3. 東京並みに給料が欲しい(高収入が欲しいという事)
条件だけで田舎には無い。
贅沢を言い過ぎるとキリがない。
仮にあったとしても、面接でダメなら正社員にはなれない・・・
三重県の田舎である訳もないと、
諦めながら・・・
ただ、月日が流れる。
そんな状況の時に、ふと小さな広告に目が止まった。
老人ホームの調理人募集!
2017年2月OPEN
給料は、手取り20万。
納得できないけど、無職よりましか。
OPEN施設なら、上下も無いかも。
安易な考えで、面接に向かう。
面接会場は、OPEN施設。
到着して驚いた。
何て大きな施設だろう。
3階建て大型高級老人施設。
何人。入居できるのか?
面接会場の食堂へ行って、さらに驚く。
レストラン?
イメージしている老人ホームとは、明らかに違っていた。
何もかも高級。
施設内にはジャグジー風呂、スポーツジム、くつろぎ応接室等
何もかも高級志向。
面接が終わり、お願いしてみた。
厨房を見せてください!
面接官は、施設に連絡して
僕を厨房に入れる事の許可を取る。
案内してもらい厨房へ。
僕は、驚く。
東京新宿以上の設備に。
高級ホテル並みの厨房。
なんだここは!
夢なのか?
何百人の料理を作るのか?
明らかに、施設収容人数とは、かけ離れてる。
大型厨房。
僕は、その光景に興奮しかなかった。
給料の問題では無い。
ここで、調理したい!
採用かどうかも、わからない状態で。
冷蔵庫を保管する部屋
調味料を保管する部屋
調理の準備をする部屋
事務所
調理人専用最新式トイレ
更衣室
保温室
厨房全体が要塞。
完璧な厨房。
面接なのに、はしゃいでしまいました。
それを見ていた面接官が、
口を開く。
『貴方にお任せしたい。』
え?
『多くの方が面接に来ましたが、貴方ほど喜んで厨房を触った人は居ない。
さぞ、気に入ったのでは?
貴方が働いていた東京の会社。TVで何度も拝見しています。
とても厳しい環境の会社ですよね。
その最前線で、8年働いていたのでしたら、こちらとしても是非!
ここの厨房をお任せしたい!』
ただ意味も無く続けた仕事が、花開く。
この環境で、調理ができる事が後押しになり。
僕は決めた。
こちらこそ、宜しくお願いします!
45歳の再就職には、恵まれた設備と環境。
でも、これが最初の苦悩になるとは思いもしなかった。
2017年2月20日
第3話へ
■作者より
第2話をご覧頂き有難うございます。
何とか仕事も決まり一歩前に出れました。
恋愛の話ですが、この施設で僕は人の人生を学びます。
愛しい人に対して、今何が出来るかを。
皆様も、自分ならどうするのか?
第3話で考えてくださいね^^
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