のけものフレンズ

@TOKI_347

第1話 こきょう

「桟橋に着いたね。あのクレーンでバスを引き上げるから降りて少し待っていてくれるかな?」


「わかりました、ラッキーさん」


「いこ、かばんちゃん。」


二人がバスを改造した船から桟橋へと降り立ったのを見届け、ラッキさんことラッキービーストは真新しいレモン色のボディーを揺らしながら桟橋へと降り立った。

ひょこひょこと歩き、コンソール板の前に立つと港に残されたクレーンを操作し始めた。

すっかり錆び付いたクレーンは油がきれて金切り声をあげるが無事にジャパリバスを地上へと引き揚げた。



「久々のキョウシュウエリアだね。」


「うーん、サバンナが恋しいよ、かばんちゃん。」


「そうだね、サーバルちゃん。図書館で博士に報告?したらサバンナに戻ってみようか。」


「わーい。」


「かばん、サーバル、少しまってね。バスの車体から筏を外してから行こう。」


「なにか手伝った方がいいですか?」


「そうだね。僕がロープをほどいたら丸太をどかしてくれるかな?どかした丸太は港に置いていこう。」


「わかったよ、ボス。」


「じゃぁ始めるよ。」


「はい、よろしくお願いします。」


こうして僕たちはバスの後部車体から筏を取り外す作業をはじめました。


「かばん、サーバル、ロープをほどくから気を付けてね?」


「はい。」


「任せて。」


ラッキーさんが、ロープをほどいたとたんズッシリとした重みが僕の腕にかかります。昔よりは力も強くなったけどやっぱり辛いです。


「サーバル、かばん、ゆっくり地面に置こう。」


「ふぅー。やっと一本はずせたね、かばんちゃん。」


「そうだね、サーバルちゃん。」


「二人とも大丈夫かい?」


「まだまだ~っ!」


「ぼくも大丈夫です。」


「じゃぁ続きをやるよ。」


こうして格闘すること2時間あまり、ようやっとバスの後部車体につけられた桴をはずすことができたのでした。



「おもったより大変だったね。」


「そうだね、サーバルちゃん。」


「本当はトレーラーも桴をはずした方がいいけれど・・・・・・このままでも支障はないね。

じゃぁ出発しようか。」


すっかり夕焼けに染まった港を背にジャパリバスは走り始めた。



「ちょっと疲れたね」


「なら今日はロッジで休んで行こうか。二人とも船旅とさっきの作業で疲れているからね。」


「はーい。」



こうして3人はロッジを目指すこととなった。




つづく?

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