どんでん返しにトライ! 企画

1.反省とお礼

 本企画は、小説の中でよく使われるどんでん返しという技法に、いろいろな趣向でチャレンジしてもらおうという主旨で実施いたしました。


 企画募集時のアナウンスは以下の通りです。


**ここから**


 どんでん返しは、メインディッシュにも常備菜にもなるおいしいエピソード。多くの作者さんが、大なり小なりそういう要素を組み込んで作話されているんじゃないかと思います。読者のミスリードを誘った後で、そいつをどかんとひっくり返すのは、作者にとっても読者にとっても爽快ですよね。


 でも、ひっくり返す前にネタがばれてしまう(仕込みが甘い)と一気にしらけますし、どんでん返しのインパクトが強すぎて話の腰が折れてしまうリスクもあります。それを避けるためには、どんでん返しを効果的に使う腕力(筆力)が必要なんじゃないかと。


 ということで、こんなどんでん返しはどうだと読者に挑んでくださるチャレンジャーを募集いたします。あなたの腕前で、読者の思惑を鮮やかにひっくり返してください。


 参加条件は以下の通りです。必ずご確認ください。


(1)テーマは自由に設定していただいて結構ですが、話の重要な要素もしくは柱としてどんでん返しを仕込んであること。ちょっとだけしか使っていないというものはご遠慮ください。


(2)千字以上五千字以下の短編に限定します。できるだけ参加される方の執筆条件を揃えたいので、字数制限にご協力ください。千字という下限を設けたのは、どんでん返しの結末が最初から見えてしまうネタバレを防ぐためです。字数をある程度超過する作品をエントリーしたいという場合は、事前にわたし宛近況ノートで打診していただければ幸いです。


(3)完結済みであること。ちゃんと話が完結していないと、どんでん返しの意味がありません。どんでん返しの効果を狙って分割アップする場合でも、複数話を一気に載せ切ってください。自主企画エントリー時に導入部だけを放置する困った人が多いので、自衛措置です。


(4)カクヨム公式コンテスト応募作の重複エントリーはご遠慮ください。そもそも選考や読者投票に不利になるだけの自主企画への重複エントリーに意味はないと思うんですが、違反者にその手の輩が多いので念のため。


(5)ジャンルや、新作か既存作かは一切問いません。カクヨムの利用規約をクリアしていればおーけーです。


 わたしは、次の三点に着目して作品を読ませていただこうと思っています。


1)完成度。どんでん返しをエピソードとしてこなしきれているか。

2)芸術性。どんでん返しの表現や美しさ。

3)技巧性。どんでん返しのネタとしての新奇性やおもしろさ、仕込みの腕前。


 全部高くないとだめというわけではなく、どれか一点突き抜けているとか、逆に全体のバランスがいいということでも、読者への訴求力がぐんと増すんじゃないかと。


 どんでん返しなら俺に任せておけという腕自慢のみなさん。あなたの果敢な挑戦をお待ちしています。


**ここまで**


 今回の反省点。自主企画における条件無視のエントリーが多発していたため、かなり強い警告を並べたんですが、それがいささか強すぎたかもしれません。タイトルにまで『条件をしっかり確認してくれ』と盛ったのは、かえって逆効果だったかもなあと。


 ループ企画の時は、できるだけ既存のイメージにはない切り口をという条件をつけたんですが、今回はもっと気軽に参加してもらおうと思ってゆるめの条件設定にしたつもりなんです。それでも、ちゃんとどんでん返しになってるかなあとおそるおそる参加された人が結構おられて。ちょっと趣旨説明の書きぶりが硬すぎたかもしれません。そこが、今回の大きな反省点です。

 かと言ってあまりに柔らかい書き方にすると、ノイズがいっぱい乗ってしまいますし。なかなか難しいものですね。


 それでも最終的に拙作を除いて三十作品のエントリーを賜り、何れ劣らぬ好作品ばかりでした。企画を立てた意義は十分にあったかなと思っています。クオリティの高い作品を寄せてくださった作者のみなさま、参加作品を読んでくださった読者のみなさまに、あつくお礼申し上げます。


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