何題噺もお好きです

奈浪 うるか

どおっしゃああ

古書店のポストに、マカダミアナッツが入っていた。


「待ちなさい! そういうのが一番ダメって言ってるでしょ!」


この梅雨明けの7月に突然の転校生としてやってきた幼馴染の委員長が怒声を上げる。


「だからっ! どさくさに紛れてお題を消化するだけの展開はやめなさいっていってるの!」


オレは委員長のお説教にうんざりして、格子窓から外をのぞいた。


「なんで格子窓があるのよ!」


ここはオランダである。


「学校でしょ! ここ、学校でしょ! なんで格子窓なのよ! だいたい格子窓と飾り窓間違えてるわよたぶん!」


頭の弱い女の意味をなさない叫びにオレはニヒルな笑みで答えた。


「君の瞳に乾杯」


「…ニヒリズムになってないわよ」


ニヒリズムな笑みで答えた。


「おかしいわよ! 文章が!」


くだらないメスがジュブジュブナイルっている。


「…わからないなら素直にそう言いなさいよ!」


「うん、メッチェンってなに?」


「し、知らないわよ」


「ふ。教えてやろう。オレが、メッチェンだ」


出入り禁止になっても知らないわよ。幼馴染の委員長は内心少し心配した。

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何題噺もお好きです 奈浪 うるか @nanamiuruka

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