第32話決意

井上さんの話を全部聞いた後、私は引き続きあそこで働く事を決め、店長に電話を掛けた

今日井上さんの気持ちを全部聞けて嬉しかった

モヤモヤが少し取れた

…だけどまだモヤモヤは残っていた

それは晋ちゃんとの事…

初めて喧嘩をしたあの日以来

晋ちゃんからの連絡はなかった

私も連絡出来なかった

井上さんと和解は出来たものの

晋ちゃんに対しての問題はまだ何も解決出来ていない…

本当はキスされた時

ちゃんと晋ちゃんに言わないといけなかった…

なのに私は《心配かけさしたくなかった》

そう言っといて

本当は晋ちゃんに嫌われたくなくて

ただ、逃げていただけかもしれない…

だからちゃんと話そうとも思い何度も連絡しようと思った

だけど行動にうつせなかった

「…どうしよう」

このままの関係なんて嫌だよ…

その時

さっきの井上さんの言葉を思い出した

《気まずいまま別れなんて嫌だから、

ちゃんと話をする為に来た》

私と晋ちゃんの今の状況と同じだった

だけど井上さんは気まずいまま別れるのは嫌だからと言って私に全部話してくれた

そして和解出来た

晋ちゃんと気まずいまま別れたくない…!

「私もちゃんと話さないと…!」

私は晋ちゃんに電話を掛けた

*****************************************************あれ以来、俺は円花と喧嘩をしたまま過ごしていた

何度も何度もスマホをチェックした

けど円花からの連絡はなかった

連絡しようと何度も思った

だけど…行動出来ないままだった

「ハァ…」

怒るよな…そりゃ…

あんな最低な事したんだもんな…

喧嘩をしたあの後俺はすごく後悔した

円花の話をきちんと聞けなかった

井上の事を聞いて嫉妬して

嘘疲れてたことにムカついて

円花は俺の彼女って分かっているのに

自信が持てず

俺の物だと分かるよう

身体で示そうとした

…結果円花を泣かせた

泣いている円花を見たのは初めてだ

なのに俺は自分の気持ちを押し付けて

円花の事を考えず

あんな事をしてしまった

本当に最低だった

愛して行っていた事が全部

円花を苦しめていた

どうしよ…

このまま自然消滅するのか?

気まずいまま…?

もう会えないのか…?

嫌だ…

円花と話さないと…

俺は円花に電話しようと決めた

掛けようとしたその時

♪♪♪

俺のスマホが鳴った

画面を見ると円花からだった

(円花…!)

俺はすぐさま電話に出た

*****************************************************

プルルル…

電話のコール音が私をドキドキさせる

『はい』

しばらくして晋ちゃんが出た

(晋ちゃん…!良かった…出てくれた)

『も、もしもし…?』

私は緊張して声が震えた

『…どうした?』

久々に聞いた

低い優しい声…

私はやっぱり晋ちゃんと一緒にいたい

そう確信した

『あの…!』

『ん?』

やっぱりこんな気まずいままなんて嫌だ

ちゃんと話したい

『…話したい事があるの…会って話したい』

『俺も…円花と話したい事あるんだ、明日会える?』

『うん』

『じゃあ、昔よく一緒に遊んだ

…花山公園で13時に待ち合わせしよ』

『分かった』

『じゃあ明日』

『うん』

そして私は電話を切った

「明日ちゃんと話そう!全部」

私は意思を固めた

*****************************************************

『も、もしもし?』

久しぶりに聞いた円花の声

緊張していたからか少し声が震えていた

相変わらずかわいい声…

愛しいと改めて思った

やっぱ円花じゃないとだめだ

俺はそう確信した

さっき電話で

『話したいことがある』

と円花に言われたとき

俺は内心ドキドキしていた

まさか…別れ話か…?

俺はとまどった

嫌だ…

別れたくない…

もう円花を失いたくない

明日ちゃんと会って謝る

ちゃんと会って明日俺の気持ちを全部ぶつける

もう二度とこんな思いさせない

俺はしっかりと意思を固めた

《もう円花に辛い思いさせない》

俺はそう"決意”をした




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