第15話 初めての給料日に主婦になりました

【7月25日(月)】

今日は結婚してから初めての給料日。夕食後に圭さんは今後の家計について相談したいという。


「受験勉強中に負担をかけて申し訳ないけど、これからは家計を美香ちゃんに任せたいけど、どうかな。引き受けてくれないか?」


「どういう風に?」


「給料の予算管理をすべて任せる。僕は毎月お小遣いを定額もらう。美香ちゃんも必要な学費やお小遣いを定額にきめる。いままで生活費が足りなくなるごとに渡していたけど、預金通帳とカード、印鑑を渡すから管理してほしい」


「そんなことできません」


「家事を任せて4か月近くになるけど、美香ちゃんは金銭感覚が僕よりもずっとしっかりしているので是非まかせたい」


「大きな出費や赤字が続くならば相談してくれれば良い」


「毎月の月末に報告して相談するということならやっても良いです」


「これが給料明細書で、給料はこの預金口座に毎月25日に振り込まれる。ボーナスも同じ口座。それから、家賃や光熱水費や2人の携帯代はこの口座から自動的に引き落される」


「圭さん思ったよりお給料もらっていますね。圭さん、お小遣いはいくら必要ですか?」


「美香ちゃんが毎日お弁当を作ってくれるので、月2~3万あればいい」


「じゃあ、2万5千円で」


「中間をとったね、いい感覚だ。いままで、独身で気ままに使ってきたので、これからは美香ちゃんのために使わないといけないと思っている。それに美香ちゃんは家計が分かっていると安心して生活と進学ができると思うから」


「私のためって言っても、そんなにゆとりはないと思います。でもしっかりやります」


「それから今まで貯めた貯金があるけど、それは独身時代の稼ぎということでその口座は僕の管理にさせてほしい。いくらあるかは秘密。それと実家の駐車場代の口座も僕の管理にしてほしい。税金や帰省旅費、冠婚葬祭の費用に充てているから。ただ、この口座はオープン」


「もちろんです」


「美香ちゃんのお小遣いはいくらにする?」


「学用品などを入れても1万円もあれば十分かな」


「おしゃれもしてほしいけどそれは僕が別に面倒を見るから、やってみて、また相談しよう」


圭さんは私を信頼してくれている。それに応えなくては、そして奥さんらしくならないと申し訳ない。練習したパソコンで家計簿をつけてやってみよう。


圭さんはこれまで蓄えた自分専用の口座を確保できたので、ほっとしていたけど、それは当たり前。いつもそこから私のために出してくれているのは良く分かっている。ありがたいけど、私のためより圭さんのために使ってほしい。

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