私の席に坐っているもの

 夜、電気の消えたダイニングを抜けて、浴室に入ろうとしたところ、常に私が食事をしている席から、視線を感じた。

 振り返ると、子供くらいの背丈の何かが、私の席に座り、こちらを見ている。

 思わず短い声を上げたあと、正体を確かめてみると、それは犬のぬいぐるみであった。

 母が、クレーン・ゲームで手に入れたものを私の席に置いていたのだが、迷惑な話であった。

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