おまじない

 小学生の時、実害のあった話。

 ある日、幼なじみがうわさ話を教えてくれた。

 子供が家にひとりでいるときにチャイムを鳴らし、その子が玄関を開けると、持っている鎌で首を切る、という妖怪がいるとのことだった。

 茨城では新聞にも載ったらしい。

 (この補足で、私は信じてしまった)

 私が、どういう子供のところに来るのかとたずねると、幼なじみが、この話を聞いた子供のところに来る、というではないか。

「なぜ、そんな話をするのさ」

 鍵っ子で夜までひとりでいることの多かった私は、幼なじみと大げんかになった。

 それからしばらくの間、私は夕方にひとりで家にいるのをなるべく避けた。

 ひとりで家にいて、玄関のチャイムがなった場合は、別の部屋の窓から訪問者を確認した。

 この文章を読んでいる小学生はいないだろうが、たしか、その妖怪は、おまじないのことばを口ずさめば去るそうだが、忘れてしまった。

 ネットで調べたが、話自体が見つからない。

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