青切異聞
青切
かなしばり
小学生から高校生ぐらいまで、かなしばりによくあった。
いつも体験することは同じで、寝ているときに、意識はあるが体が動かない状態になり、テレビの砂嵐のようなものを見させられた。
かなしばりを解こうと体に力を入れているうちはいいが、気をゆるめると、目に映っている砂嵐が上に行き、下から別の何かが見えそうになる。
その別の何かを、私は本能的に見てはいけないものだと察知した。
毎回、かなしばりの最中に、体に力を入れると、上に行こうとする砂嵐の画面が下に降りて来て、その何かは私の視界の外から押し出された。
そのため、私はかなしばりにあうたびに、体に力を込め続けて、早く目が覚めることを祈った。
好奇心から、力を抜いたまま、砂嵐の下から見えそうになる何かを見ようと思ったことはあったが、結局、一度も試していない。
実際にかなしばりにあうと、好奇心より恐怖のほうが勝った。
かなしばりにあうとひどく疲れるため、その対処にはずいぶんと悩んだが、だれにも相談はしなかった。
原因が霊的なものであれば、寝室がお寺とお墓の直線上にあったからかもしれない。
医学的に考えると、思春期特有のストレスの現れだったのかもしれない。
かなしばり自体に加えて、寝る前に予感を覚えるも嫌だった。
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