鏡の国で

 映るのだ。私の世界が乱れて狂い、己の輪郭すらも歪んで視える。得たのは自己の虚構的な物語で永劫よりも面倒臭い。数多の神々が私を嘲笑い、最悪の状態を残して去った――兎角。私の存在は夢と現の狭間で在り、酷く深い階段の底に佇む。されど誰もが私を知らず、夢幻の空間に意識を融かした。窖に堕ちた私は小人と成り、滑稽な踊りを強制される。門なのだ。私の脳味噌は創造された門なのだ。如何なる存在が潜ろうと私は認識不可能で、鏡の如く怪物を孕み続けるのみ。裂かれた腸は瞬時に修復され、私は地獄の苗床と化す。ああ。そうだ。私は死体で在った。されど生前の願いは叶えられず、地の底で埋まる腐った肉と成り果てた。神よ。偉大なる生命の迷宮よ。私の身体は美味なのか。私の精神は美味なのか。早過ぎる『埋葬』など無意味だと想定し、人類は数多に火葬されるべき。迷宮の主が如何に門を創造するのか。貴様等には理解不可能だろう。正解だ。孕み続ける門は信者人類の胎に宿る。さて。此処で質問だが――彼の崇拝者は幾人だ。門の数は幾個だ。視るが好い。地球が主の鏡の国と成る現実を! 地の腸が裂けた!

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