行進
音だ。私の脳味噌でカラリカラリと音が鳴る。私の脳味噌でカっサリと重なる。積もる足跡が頭蓋を叩き、抑制する戸口を腐らせる。負の側面だけが活性化され、私は私の
僕が世界を覗いた時、貴女は感情の牢獄に抱擁されて在った。其処には何も無く、残ったのは感情だけだ。誰もが死を拒絶する中、貴女の脳味噌は破壊を望む。可哀想な女の仔。僕は愛と涙を捧げて場を去ろう。僕は雨と蜜を捧げて場を去ろう。残酷な決定だが、貴女には病を糺す『薬』が必要だ。黄金色に輝く酒よりも極彩色の丸薬が重要なのだ。さあ。如何か。僕の飴玉を舐り続け――ああ。笑った。笑った筈だ。笑う以外に反応は無い。抉った
私の地獄を塗り潰すのは何者だ。私の楽園を塗り潰すのは何物だ。甘い香りも雨の冷静も無意味だと理解するべきだ。好いだろう。良いだろう。我の
やった! 僕の言葉が伝わったぞ。貴女の首が回り始めた。実に。実に素晴らしい光景だ。僕は貴女の脳味噌に恋した、優しくて穏やかな人間の一個体。ええと。間違いか。僕は人類の軍勢さ! 僕の指揮に人間は抗えない。僕の腕に人類は蒐集され――ああ。漸く気付いたのだ。僕と貴女は永遠の鎖に縛られた! 私の地獄は僕の奈落。僕の地獄は私の奈落。さて。
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