後を往く

 飽きない。僕は飽きない。己の欲望を解放し、数多の視線に晒される悦を得る。飽きない。僕は飽きない。唯一の理性を唾棄し、無限なる世界に冒涜の越を獲る。飽きない。僕は飽きない。飽きる結末は在り得ない。在った場合は死の幕引きだ。緞帳の下がる音が耳朶を貫ける。されど終劇黄衣の王は消え果てた。残った玩具は濁った絵具。ぐちゃりぐちゃり――飽きないな。僕は白を塗り潰し、無秩序アザトースを描くのだ。楽しい。嬉しい。面白い。誰もが僕を嘲笑うのだ。僕は誰かを哄笑しよう


 ――Nyahahahahahahahahahahahahahahahahahahaha!!!


 誰が混沌の化身を呼んだ。千の一も現れぬ。飽きない。僕は飽きない。世の中は不可思議で満ちた箱庭よ。匣の中身は燃える眼。闇の最中で生命を突いた。啄んだ。何とも滑稽な輪郭! 飽きない。僕は飽きない。彼等の後を歩むのだ。聖なる存在を欲で汚せ。欲に満ちた盲目を正で穢せ。僕は飽きない。さて。さて。此処で君達に質問だ――好奇心純粋単純生命体ニンゲンなのか。怪物単純純粋人間無秩序なのか。


 嵐or風うだけ。

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