落仔

 丸々と肥えた仔を拾う。其処に在るのは生命旨そうなもの。肚を捌いて臓物をひねり、米粒の蠢きを詰め込んだ。世の阿呆どもが化け物と呼ぶ、数多の所業を繰り返せ。抉った目玉玩具が地を跳ね回る。ぐるりとが嗤い始めた。ああ。悦ばしい。貪る為の作業に外道ず、俺の遊びは蜿蜒邪々と――今日の宙は赤の三日月無貌だ。芸術性を秘めた、物語の如き妖艶さ。故に俺は狂ったのか。故に俺はれたのか。痩せた仔を掻き抱え、食屍鬼ぐぅるじみた取り換えを成した。村々の人間は顔を歪め、俺の輪郭で糞尿をひねた。滑稽な姿め。俺の局外者は如何だった。何れも貴様等の成れ果てだ。しかし。まあ。木乃伊の如き仔どもよ。生命旨そうな気配も無い。老婆どもが為した人間育を行うべきか。此処で破棄するのは勿体ない。結果を知りたいだと。ああ。簡潔に説くならば失敗だ。数年後に仔は死に絶えた。チョッと。如何した。シャンタク夜鬼を視た貌を成して。おぃおぃ……おイおイ……俺の貌の隣が気に……ちゃこた待てゃ。

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