第3話 赤ずきんの大作戦

「ロンドン橋落ちたー♪落ちたー♪」

そんな歌を歌いながらつり橋を渡る赤ずきん。

「まったく、ばーちゃんち、橋渡らないといけないうえに迂回ルートないんだよなあ。めんどくさい。橋流されたらどうすんだっつうの」

「流されんぞ。わしがいるからな」

「あ、トロルのおじさんこんにちはー」

「お兄さんと言え。今日はどうした、赤ずきん」

「お見舞い」

「そうか。狼には会わなかったか?」

「だいじょーぶ、逃げてきたから」

「そうか。まあ、来たとしてもわしが追っ払うから安心しろ」

「ヤギに負けた人に言われても説得力無いなあ…」

「黙れ」

「はーい」


数分後


「ばーちゃんお見舞いに来たよー」

「おお、赤ずきんありがとうねえ」

「ところでばーちゃん、マチェットと肉切り包丁どこにある?出来れば斧も」

「ええと、マチェットと斧は裏の小屋、肉切り包丁は台所だよ」

「そう。ロープとはさみと重しになりそうなものも裏の小屋にある?」

「はさみは裁ちばさみがここにあるわ。ロープは裏の小屋にあると思うけど。重しは…暖炉用の薪があったはず。それで無理なら、表に植木鉢があるけど」

「ありがとう」

「あ、狩人さんが裏の小屋にいるけど、気にしないで。ちょっとさぼって休んでるだけだから」

「いや、さぼらせちゃダメでしょ」


数分後

玄関にて

「えっと、ロープを天井の照明にひっかけて、片方の先にもう一本ロープをつけて先を2本にして、そこに肉切り包丁をギロチンの刃みたいに縛り付けて、もう片方の先に一番大きい植木鉢に山ほど薪入れて袋に入れて口縛ったものを括り付けて…よし、こんなもんかな」

「赤ずきんや、それは何だい?私にはなんだかギロチンみたいに見えるけど」

「ばーちゃん大正解」

「…えっ?」

「たぶんこれから私狙ってるヘンタイ狼が来ると思うけど、これで狼仕留めるから。仕留められたら青いシャツとスカンツ買って」

「え…ええ、いいわよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る