第14話
2週間の秋休みが終了して、今日から後期授業開始。
朝から変な気持ちだ。
外に出るのが怖くなり玄関ドアの前で泣きそうになっている。
人に会うのがこわい。どうしよう。怖い、怖い、怖い。
それでも行かなければ、という使命感に押し出されて外に出る。
でも怖いものは怖くて、自転車を漕ぎ学校に近づくたびに怖くなって涙がとまらない。
とりあえず、学校まで5分ほどのコンビニで落ち着かせよう。
今日は英語と現文。なんとかなる、こんな弱弱しい姿を安藤先生に見られることなく過ごすことができる。大丈夫、大丈夫。よし、行こう。
2分の遅刻で学校に着くことができた。よし、教室に行こう。
そう校舎内に足を踏み入れようとすると思い出される入学当初の記憶
周りに誰もいないのに笑い声が聞こえる。怖い、怖い、怖い。
無理だ、いけない。無理。でも今帰ったら親に怒られる。姉と比べられる。
帰れない。こうなったらイヤホンから流れる音楽を最大音量にしてエレベーターに乗って誰もいない5階の教室へ。
よかった。誰もいなかった。
でもどうしてなんだろう。突然。
誰にも言えない。私の悩みを誰にも言うことができない。
いつでも明るい私でいなければならない。
本当の自分を出したら嫌われる、笑われる。
本音を言ったら重い奴だ、とか、めんどくさい奴だ、っていってみんないなくなる
それだけは避けたい。一人になりたくない。
絵里はいま頑張ろうとしているから頼ったらいけない。
結局、いつになっても私は独りなんだ。
あぁここから飛び降りたら楽かな…。と半年間ずっと避けてきた自傷行為をやろうとしている。そんなことを考える私も嫌いだ。
あぁどこかで死のう。学校帰りに事故にあったかのように死のう。
よし、誰にも会わないうちに駐輪場へ行って学校から抜け出そう。
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