俺のイジョウ↑↑↑な冒険

@eccentrichero7

第1話

空腹、しかし食べる前から満たされない事を知っていた博也は凡人と全く逆のことをした。

彼は、いやむしろ腹を減らすために10キロ弱ある町外れの開発地まで徒歩でおもむいたのだ!

否!8キロ地点で

「はいおウチィィィィィィィヤアアアアフォォォオオオ!!!!!!」

Uターンし、帰宅(愉悦)

しかしメロスは気が狂ったのかスキップをしながら一般男性脱糞シリーズを披露して見せた。

流石、淫夢を激震させた男

メロスは既に満身創痍だった

すっかり日は落ち、ますます空腹とは別の切情が腹の中を支配した。


絶望である

この長い道を歩き、ボーッとした思考の中でボウフラのように飛び交う〝退屈〟な記憶

「嗚呼…これが絶望……これが死ぬ前にみなくて良かった…この決して潤う事のない永遠の切望に溺れて死ぬなんて…。」

そんな事はあってはならない

しかし眼前の闇はそれを意味するのには充分すぎるほどだった

俺は歩いた

脚の皮がむけようとも、靴を脱ぎ裸足で歩いた

あの家まで

玄関にはセリヌンティウスは居なかったが、変わりに誰かに話そう。

この冒険で最も悔しかったのは走らなかった事だ。

しかし、最も楽しかった事は〝歩んだ〟ことだった────

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