時間が無い人へ向けた短編

都稀乃 泪

私に気づいて

いつも通りの時間

朝の7時に3番ホーム

紺のブレザーに黒いスポーツリュック。黒いけど日に透かすと茶色に輝く

ベリーショートの髪の毛に少しだけ着いてる寝癖。

私だけが知ってる彼の姿

どんな人混みにいたって

私の目に一番に飛び込んでくるの


毎朝毎朝君の姿を見つけて

嬉しくなって幸せになって

勇気振り絞って君に話しかける

「おはよう」

たった4文字だけど。


君は今日まで気づかないんだね

分かっていたけど。

君は私のことなんて知らない

いつまで経っても一方通行

だけど1握りの希望かけて

話しかけるよ君に

毎日毎日ほんの少しの希望託して

それもしょうがない事かもしれない




私と彼は生きる世界が違うんだから




私が通ってた高校も彼の所よりもレベルの低いところだったし、私はくせっ毛だった。


まぁ、“そんなこと”は些細なことだけれど...。


毎日一度だけ話しかける

「おはよう」も今日で49回目

それも今日で終わり


あぁ。もう、時間が来てしまったのね

君の口に自分の唇を重ねて通り過ぎて...


私はあの世へ旅立つ。

来世で君に会えることを願って。。。

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時間が無い人へ向けた短編 都稀乃 泪 @ask-rain_of_sadness-2

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