完全なる小ネタ置場の日

にのい・しち

ネット世紀・2ちゃんげりおん(前編)

 この内容はリスペクトです。

 実在の人物・団体とは関係ありませんが、リスペクトです<(_ _)>


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 ついに始まった、サードDQN。

 世界の命運をかけて、シンジは2ちゃんげりおんに乗り、最後の出撃をする。


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「なんてことなの? ついにサードDQNが始まったわ?」


 軍服で豊満なバストを押さえつけ、タイトなミニスカートを着た、黒髪ロングヘアーの女性司令官。

 清楚ビッチを思わせる、カツラ・ミチャット中佐は、パソコン画面のレスを見て絶句する。


 それは、滝を撮影した映像を逆回しにするかのように、下から上と、ユーザーネームと書き込みのログを突き上げていった。


 無線機から血気盛んな少年の声が聞こえた。


『ミチャットさん!』


 司令室の巨大モニターに、少年の顔が現れる。


 半袖、白ワイシャツの制服を来た、14歳の少年。

 シャツの第2ボタンを開け広げ、下に着るTシャツの首もとを見せていた。


 ファッションに目覚めた、年頃の男子は、格好付けて自分に酔いしれる為、制服の上着の下にパーカーを着込んだり、派手で目立つ、赤いTシャツをワイシャツの下に着て、見せつけるようにボタンを開ける。

 

 教師に、きちんとした身なりを指導されると「個性だから」と自分のアイデンティティを盾に、教師達をファシズムから生み出された、悪のように仕立て上げ、追求を逃れる。


 しかし、それらの反抗期真っ盛りの十代とは、シンジは違う。


 そう、彼は太っているのだ。


 まるで、バレーボールにワイシャツを着せたかのように、少年の腹は肥えていた。

 

 彼は反抗期から、シャツの第2ボタンを開けているのではない。


 単に、呼吸が苦しいから開けているに過ぎない。


 狭いコックピットに押し込められたら肥満少年は、呼吸を荒くし、全身を発汗させ、室内の温度を上げる。


 それにより、コックピットないの通信カメラを曇らせた。


 ミチャット中佐は心配そうに、モニターの向こうにいる少年へ、語りかける。


「シンジ君? 大丈夫? カメラが曇っているわよ?」


 指摘された少年は、すかさずグローブのような手で、通信カメラのレンズをふき取るが、すぐに熱気でレンズは曇ってしまう。


 曇るレンズに、少年はパニックになった。


『何これ? ミチャットさん、どうなってるの? ねぇ、ミチャトさん!?』


 ミチャットは少年をなだめる。


「落ち着いて、シンジ君。カメラが曇っていても会話は出来るわ。いい? サードDQNは今のあなたでは止められない。ここは戦略的撤退よ」


『いやだ!』


 少年の反発に、司令室は静まる。


『僕が、ネット民のヘイトを受け止めないと、このセカイは壊れちゃうんだ!』


 少年はうつむくと、呪文のように同じ言葉を繰り返す。


『逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。 逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ……』


「シンジ君!? 止めて! (^O^)(^O^)動画の生配信みたいに、画面が文字に埋め尽くされてるわ!? 気持ちわるい!」


『僕が……僕がセカイを救うんだ!』


「シンジくん! ネット民のヘイトをすべて受け止めたら、あなたは人に戻れなくなるわよ!?」


『いいんです!』


 曇ってモニターが見えないが、少年の決意が顔に現れていることが、空気感で伝わる気がするような感じだ。


 シンジは言う。


『それで、セカイが救えるなら! それで、ネット民の不満が解消されるなら!』


 ミチャットは必死で止めようとする。


「シンジ君! ネット民とあなたが抱えるヘイトが同じとは限らないわ!?」


『みんなのヘイトを僕が、全て受け止めるんだ!』


「何言ってるのシンジ君? あなたのヘイトは、女子に対する不満ばかりじゃない! いい加減、自覚しなさい。あなたは童貞なのよ? 女に理想を抱き過ぎている」


『僕のヘイトは、どうでもいいでしょ!?』


「いいえ、よくないわ。まだ、黒髪ロングで、遊んでいない女がいい何て、言っているの? いい? 全ての女は、いずれビッチになるか等しくビッチなのよ! あなたの抱く女性像は所詮、エロマンガの影響を受けた幻想なのよ! あなたはAVでしか女を知らないのよ!」

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