子供のころ 三題

別府崇史

第1話

 清水さんが幼少時、飼っていたハムスターが妊娠した。

 父親から「何匹産まれると思う?」と聞かれた清水さんは、目の前のハムスターをじっと見つめたのち「三匹」と答えた。

 二週間ほどで産まれた赤ちゃんは、その通り三匹だったという。


 お母さんハムスターの頭上に、三つの淡い光が漂っていた様を、大人になってからも清水さんは覚えている。

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