第18話どっどらごんわ~(;´д⊂)

 「どっどらごんは、おおきくなっ・なくちゃ いけないのよ」


 うわーーーーーーーーん。


 泣き崩れる私。


 おろおろする、ちっちゃなドラゴンとくまさんとさくらこさん。


 カムイは呆れ顔で見下ろしてくる。


 でも、でも、いっ異世界でどらごんと言えば、物凄く大きくて、属性によって様々なブレス吐いて、全てを弾き返す鱗でしょう。


 そして、勇者とかのパーティーで漸く勝てるかどうかの際どい戦い。


 それが、なんでこんなにちっさいのよ~~~!!


 心の叫びが、声になってしまってもしょうがないよね?


 「それは、そんな風に考えるやからが後を絶たなかったからだ。大きいと目立つ、目立てば戦いを挑む奴等に見つかりやすい。確かに殆ど負けしらずだが、世の中には絶対はないんだ。ドラゴンは、長寿で生命力があって強いが、其の分繁殖力は弱い。それこそ、何百年に1頭生まれるかどうかだ。もちろん、種族全部合わせての1頭だ」


 えっ? 絶滅危惧種? レッドカード?


 「新しい子はなかなか生まれない。人間は、様々な理由をつけて竜を狩る。そのことで、比較的若い世代は、人間に腹を立てて国を滅ぼそうとして、甘く見ていた為の返り討ち。さらにその数を減らしてしまった。そこで、老竜達は考えた。それが、見つかることがないように隠れて暮らすことだった。それもしばらくは上手くいっていたが、それでも竜の鱗等を求めて貪欲な人間が戦いを仕掛けてくる。我々は、そんな歴史を続けていった結果、『人間が求めるような大きな竜でなく、小さければいいじゃないか』となって、体を小さく魔法を使って進化させていったんだ」


 「それは・・・・・、ごめんさい。でも、そこまで小さくなる必要があったの?」


 BOOOMU


 大きな爆発音と共に現れたのは、自分と同じ位のサイズの幼竜にしか見えないホワイトドラゴン。


 「この大きさが元々の大きさだ」


 「この大きさだと、ペットにしたがる貴族の横暴が頻発したんだ」


 カムイが補足する。


 なんとなくわからないこともないけど・・・・・・。


 「見つかりにくい隠匿の魔法を使っても駄目?」


 「ああ、それも試したが、人間の貪欲さは天井知らずだ」


 うう、同じ人間として、情けなってくる。やはり、この世界の人間には近づかない方がよさそうだ。私の、見解に誤りはなかったってことね。


 「く~~まぁまま  くくぁーま(竜は魔法で小さくなる方法を編み出したのよ)」


 くまさんが言うには、くまさんも以前は大きかったそうだ。そして、同じ理由で、小さくなっていって、今のこのサイズになったそうだ。


 そして、竜の開発した小さくなる魔法を、このホワイトドラゴンから教わっている最中だそうで、さらに小さくなれば必要な土地も少量で済むから、この大神様の住む近辺であれば、人間は来ないので、ここに引っ越す予定だったそうだ。


 そんなの私聞いていないよ?


 じとーーーーーーーーーー。


 カムイを睨むと、目を逸らして余所を向く。


 「私、やはり余所で暮らそうかしら・・・?」


 カムイが焦って私におべっかをとって、機嫌取りをしようとする。


 だけど、それって、引きこもりでなくなるよね?


 私のスローライフから離れるよね。


 騒がしいのはちょっとね、考えちゃう。

 

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