第8話 人のいる所には近づきません
さて、これからすることは決まった。
まず、さくらこさんを飼います。
『巣籠り風テント』に入ると、さくらこさんが寝ています。起こすのは可哀想だけど、置いて行ってどっかに行ってしまうと嫌ので、抱っこして連れて行きましょう。
賢かったさくらこさんだから、前世の記憶がなくても同じはず。
そっと触ると、さらさらな毛が気持ち良い~。病み付きになりそう。
起こさないように抱えてっと、ゆーくり外に出ましょう。
寒かったからか、無意識に胸に顔をすりすりして可愛いぃ~。胸きゅーん。前世のさくらこさんも、冬の朝の寝起きに抱っこすると、よくしていた仕草だったね。
いけない、あまり浸っていないで、これから住む場所を探さないと。
まず、『巣籠り風テント』を片付けて、「けっ・・・・・」
∑ あっ しまった。
『検索』とか『サーチ』とかのギフトを貰ってなかった!!
残念ORZ
なんかいい方法無いかな。貰ったギフトは、『全異世界言語』『全魔法』『万能鑑定』『空間結界』『聖魔法』『動物おたく』ね。『空間結界』で範囲指定で、『万能鑑定』で、似たようなことが出来るかな?
取り敢えず、『空間結界』私を中心にして半径50メートル。『空間結界』の範囲内を、『万能鑑定』
こいうじゅふういじゃあしゅさざこいじじゅいっこだれてういおきゃなひゃこかでだしおおかはまこみでれきふひもばでふぇろらいじこっまめれじょこここだだふぉふほぁぃえろもこだおぱいか
う―――。目の前が文字だらけになってしまった。目がちかちかするぅ~。
なにこれ!? もしかして、全てを鑑定してしまっている?
地面も、石も、雑草も全て? 特定のものに絞ることが出来ないかな?
例えば、魔物限定。
「大きな角うさぎ」
あっ。すっきりした。
成程、私の真後ろ30メートルぐらいに「大きな角うさぎ」がいるのね。一応確認の為に探してみるか。
そろり そろり
検索では、そろそろのはず。
ぶほっっっ もう少しで叫ぶとこだった。
確かに、大きいうさぎだけど、大きすぎる。なんで約高さ3メートル横1・5メートル縦2メートルもあるの。角だけでも、50センチぐらいあるわよ。
そろ~り そろ~り
気づかれる前に逃げます。今の私にあれは無理です。腕の中には、再会したばかりの、小さなさくらこさんがいるのです。無茶なことはしません。
それよりも、これで検索が出来ることが分かりました。
今度は、一気に広げますよ~~~~~~。『空間結界』の範囲を200キロ、『万能鑑定』で魔物と人と川と動物に限定。
ふむ成程、右に30キロの所に人の字が沢山だから、そこが人の住む村か町かがあるってことね。普通は、そこに向かうのかもしれないけど、私は違います。そこにだけは近づかないように気を付けます。
なんといっても、私は引きこもりなんですから!
えっへん。って威張ることじゃないか・・・・・・・・・・・。
川は、目の前2キロ先から右の人の住む所に向かって流れていると。そこに行くまでに、魔物は、さっきの「大きな角うさぎ」が1頭と「角うさぎ」が2頭、よくある「スライム」数十匹と、いうことで、前に向かって歩くことが決定しました。もちろん、魔物は避けながら行きます。
なんといっても、安全第一です。
覗き魔な女神にネタは提供しません。
でも不思議なのは、2キロ先の川が消えていること。普通、川が忽然と現れることはないよね?
まあそれも、行ってみれば分かることか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます