深淵聞耳百物語 総まとめ
三文士
プロローグ
※
2019年10月21日追記
当初はコンテストに出した作品だったのですが、文字数制限があり20話全てをひとつにしてしまうと引っかかってしまうので、あえて全てを独立させました。
今回、コンテストも無事に終わったので読みやすさを考慮してひとつにまとめさせていただきました。各話に⭐︎や♡ならびに素敵なコメントをくださった皆様、本当に申し訳ありません。コメントや⭐︎を作品ごと削除することが本当に偲びなかったので、中でも一番評価の多かった作品に移籍させていただきました。
最近はツイてない事が多すぎた。身の回りでは不幸が立て続けに起こるし、何をやろうにも上手くいかない。ついには身体も壊してしまった。これはきっと何か良くないモノが身の回りにわだかまっているに違いないと考えた。
こういう時は神社でも行ってお
百物語をしようというのである。
しかしながらこんなデジタル化時代にロウソク百本灯して怪談話‥‥いくらなんでも酔狂過ぎるのではと頭を悩ませていた。
敢えて語るもおこがましいが、いちおう百物語の説明をさせていただく。百物語とは江戸の昔以前から日本にあった「お遊び」のひとつ。真夏に涼をとるという名目のもと、大きな座敷へ人を呼び百本のロウソクを立て火を灯す(この作法には諸説あるがここではオーソドックスな方法だけを紹介する)。
集まった者は、どこぞから聞き及んだ話。もしくは自ら体験した話を思い思いに語り始める。短ろうが長かろうが構わない。その話の真偽も問わない。ただ一つ、ここで語られる話の条件は「怪談話」であること。
一話怪談が終わる毎にロウソクの火を一つずつ消していき、最後には真っ暗闇に包まれる‥‥。とまあ、なんとも腑に落ちない終わり方をするのだが、大抵の場合は最後の一話はあえて語らずに九十九話目で会を終える。そうして残った一本のロウソクを供養として仏壇へ捧げる。
はたまた百話全てを語りきった後、参加者全員で宴会をやり朝まで騒ぐ。などといった陽気な終わらせ方もあるとか。
いずれにせよ、時代遅れもはなはだしい。そんな酔狂にのってくれる人間が何人いるものか。
そこで考えた。なにも参加者が一度に集まる必要はない。怪談だけが私の下に集まればいいのだ。
そういうわけで私は何かの折につけ出会った人々に一つずつ怪談を聞いていく事にした。彼らは皆、知らずに百物語に参加する。私はそれを聞き及び、ここに書き留める。そうして話が集まった時、何らかの形で供養し、この興を終わりにするのだ。それは、祓いの儀式とする。
私はここに、「
ルールは簡単。
一つ、期間は二十日間とする。
一つ、全て短編とする。
一つ、全て実話とする。
一つ、登場人物は全て仮名とする。
一つ、流石に百話は無理なので一話を五話分と換算して全二十話の構成とする。
以上をルールとしカクヨムで執り行う、たった独りのウェブ百物語の開始を宣言する。
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