友達の詩

@minato_hotaru

第1話

青で区切られたひとつの時代に

忘れ物をしたような気がして

懐かしい街まで線路を伸ばし

十五歳の君に両手を合わす


私たち内緒の友達だった

仲良くすると後ろ指差されて

弾かれるのがとても怖いから


休みの日に編み物をしたり

アップルパイを分け合ったりした


交通事故だと聞いた時には

心のどこかで君を疑った

私を置いて行ってしまったのだと


君が世界を諦めたんじゃない

世界が君を逃してあげたんだ


例え君が望まなくても

運命のルーレットは回った


青で区切られたひとつの時代を

君と生き抜いて笑いたかった


体育祭で走ったリレーの中で

君のバトンを受け継いだ私は

飛行機雲のゴールテープ目指し

追い駆ける夢を君に伝えたい

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