圧力鍋のふた


ふたがない圧力鍋は

ただの鍋

だからといって

それはもうたぶん使わない

ただの鍋なら他にいいのがあるから


 どうして

 誰かを思い出すのかな?


圧力がかかるからこそ

圧力鍋なのに

だからといって

ふただけあっても意味はない

ふただけではなんにもならないから


 どうして

 誰かに似てると思うのかな?


そう

両方あればこそ

見事な威力を発揮する

それが圧力鍋

きらりと光るその勇姿


 「わたしたち、圧力鍋みたいだね」

 わたしがそう言う場合は

 あなたは圧力鍋のふた


 「あなたたち、圧力鍋みたいだね」

 そう言われても

 ちっとも嬉しくないけどね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る