第5話 はじめてのせんとう

「魔術の属性について」


と呟く。すると、全知の書はペラペラーっとめくれて魔術の属性について書かれているページを開いた。




全知の書がページをめくるのをやめた。そこに書かれていたことはこうだ。


『魔術の属性について』


まず、魔術のレア度について。これはレア度1~4に区分される。※このレア度は各属性の一番初歩の術のレア度であり、強力なものほどレア度、威力が上がる。


まずは、レア度1についてだ。


これは、ほとんどの者が身につけられるレベルの術だ。修行さえすれば誰でも習得できる。


レア度1の属性は『火』、『水』、『風』、『土』、『補助』、『回復』の5つがある。


次にレア度2についてだ。


これは100人に1人、身につけられるか身につけられないかのレベルの術。修行をしても適性がないものは身につけることができない。


レア度2の属性は『闇』、『光』、『雷』の3つだ。


そしてレア度3について。


これは10000人に1人、身につけられるか身につけられないかのレベルの術だ。修行をしても適性がないものは身につけることができない。


レア度3の属性は、『召喚』の1つだけだ。


最後にレア度4について。


これは、大昔に勇者が使っていたとされる術だ。書物によって存在は伝承されているが、現在、存在は確認されていない。


レア度4の属性は、『時空』の1つだけだ。






こんな感じ。俺は特典で全属性の心得をもらったから、多分全部使えるのだろう。


……ひょっとして、俺ってすごい…?


まぁ、今はそれを置いておくとして、一番の問題はやっぱり30分間の弱体化だ。


そういえば神は召喚してみろとか言ってたような…。よし!そうと決まればステータスから魔術の欄に移動して、使える魔術をみてみようかな。




……なんだこれ?本来術名があるであろう場所には鍵のマークとアンロックという文字がかかれている。ん?よく見てみると、『この術を獲得するのには2LP必要です。』と書かれてある。


LPって何だろうか。疑問に思ったら全知の書だな。


よし。早速調べよう。






調べた結果はこれだ。


LP…最高神の加護によってレベルアップする時にもらえるポイント。術の習得などに使える。なお、勇者ゼンのステータスは特殊で術の習得には一切の修行が必要なく、すべてLPで獲得することができる。


だそうだ。要するにとりあえずレベル上げろってことだな!!


多分レベルアップには経験値的なものが必要で、それはモンスターを倒すなどしたら手に入るのだろう。


そうと決まれば戦闘だな。近くに魔物いないかな…?スライムとかスライムとかスライムとか。


……あ、みつけた!スライムだ。


俺はゆっくりと近づき、弱体化でただの剣になってしまった神剣を振り下ろした。


するとスライムの体が真っ二つに割れ、丸い球を残して消えた。


こうして俺のはじめてのせんとうはあっけなく終わったのだった。


俺は万物鑑定を使って丸い球を鑑定した。


丸い球はスライムの核で討伐証明品だそうだ。アイテムボックスにしまっておく。


すると、目の前のステータスウィンドに文字が表示され、音声が聞こえた。


(トガ様、初めまして!転生特典No:13 アナウンス・ウィズのウィズです!これからよろしくお願いします!)


「こちらこそよろしく。」


俺は理解力が高いからすぐに適応できる。それが故のこの返答だ。


(いきなりなのですが、トガ様。レベルアップいたしました。)


うぉ!まじか!いきなりだな。


ステータスを確認してみる。


名前 :ゼン・トガ


種族 :人間


職業 :勇者


性別 :男


レベル:1


LP:5


【Low】


HP:100/100 MP:10000000/10000000


物理攻撃:104 物理防御:100 魔法攻撃:114 魔法防御:112


うん:10


【High】


HP:100/100 MP:10000000/10000000


物理攻撃:1104 物理防御:1100 魔法攻撃:1114 魔法防御:1112


うん:100


〈装備〉


武器:神剣カタストロフィ—封印


 世界創造の杖—封印


身体:聖鎧プロス—封印


〈スキル〉


アイテムボックス ステータス表示 万物鑑定 全属性の心得 最高神の加護


アナウンス・ウィズ スロースタート




お、うん以外のステータスが2ずつ上昇している。


あと、LPも獲得した!じゃあさっそくLP消費して術の獲得をしますか。


……よし。さっきの画面まで来たぞ。


ステータスウィンドに指先を当てて召喚の術を選択する。俺は2LP消費してロックを解除した。すると、俺の体が青白く輝いた。うぉっ!力が流れてくるようだ。


やがて輝きがおさまるとステータスウィンドに召喚という魔法が表示されていた。


早速だが使ってみよう。


まずは召喚という項目を選択。すると、召喚できる魔物が一覧で表示された。


一覧の下に行けば行くほど強力な魔物が表示され、また、強い魔物はそれなりに召喚のための消費魔力量が増える。まぁ俺なら何でもいけると思うけどね。


さて、話題は少し変わるが俺は大の犬好きだ。イヌ科の動物はたいてい好きだ。そんな俺の目にとまった魔物がこいつだ。


『フェンリル』だ。


消費魔力量10000だから普通は無理だというのがよくわかる。早速召喚しよう!!…ドキドキ。ワクワク。


俺は呪文を唱える。なんだかすらすら出てくる。


そして最後に俺は叫んだ。


「フェンリル!召喚ッッ!!」


目の前に大きな魔方陣が現れた。



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