第3話 力を手に入れるまで

「じゃあまずは、現物を見てみてね~。」


そういって神は虚空からものを出現させた。








何もないところから急にフィードして13個のものが現れた。おそらく魔法だろう。


剣が1つ、鎧が1つ、杖が1つ、弓矢が1本、杯が1つ、箱が1つ、本が1冊、そして紙切れが5枚ある。


「じゃあこれの能力とかの情報をいま送るね~」


ん?送る?何のこt…うおッッ!?脳に情報が流れてくる感じがする!


〈チートな転生特典12選!!〉


No:1神剣カタストロフィ


(この世界の大陸を4つに割った剣。斬撃を飛ばすことができる。)


No:2聖鎧プロス


(どんな攻撃も守ってくれるといわれている。鍛冶の神お手製。物理耐性、魔法耐性共に最高品質。)


No:3世界創造の杖


(神がこの世界を創るにあたって使われた杖。威力は使用者の最大魔力量に依存。)


No:4チェイス・アロー


(どんな弓にも使え、打つとターゲットを貫くまで追跡する。壊れない。)


No:5生命の杯


(杯の形をしている。軽く振るとみずがたまる。杯の持つところを持って出ろと念じると水がたまる。)


No:6魔石ガチャ


(魔物から時々たまに出る『魔石』を使ってステータスをランダムで上昇させる。上昇率は魔物の強さに依存。)


No:7全知の書


(この世のすべてのことが書かれている本。通常は薄めの本だが、中のページは時空属性の魔法で異空間にあり、表紙を見たまま知りたいことを念ずればそのページが開く。)


No:8アイテムボックス


(無限になんでも物を入れられる。しかし自分以外の人が持っているものはしまえない。中の時間は止まっている。)


No:9ステータス表示


(自分や人の能力値を数値化して見たり、スキルの確認をしたりできる。なお、この世界にはレベルの概念はあるものの、能力値の概念はない。)


No:10万物鑑定


(この世界には『鑑定』というスキルがあるが、この場合の鑑定だと自分よりも強いものの鑑定をできない。しかし『万物鑑定』はどんなものでも鑑定できる。)


No:11全属性の心得


(魔法を使うにあたって全属性を使用できる。)


No:12最高神の加護


(全スキルの獲得可能化、獲得率上昇、レベルアップ時のステータス上昇率の上昇。)


No:13アナウンス・ウィズ


(高い知能を持った神が創ったAI。レベルアップ時などに脳内にアナウンスしてくれる。また、魔法を使用するときに必要な演算処理も担当してくれる。)


俺はじっくりとその12個のものについて考えた。しかしまとまらない。


んーーどうしようかな…決められない。なのでダメもとでこんなことを聞いてみる。


「全部っていうのはだめだよね?」


「ん~」


神は考える素振りを見せている。よしッ!これはいけるぞ!!


「そこをなんとか!!」


「ん~しょうがないな~特別だよ~?」


え?まじでいいの?ほんとに?やったね!!!


「じゃあ力を与えるから目を瞑って?」


目を瞑る。刹那、体の奥底から力が湧いてくる。


これで俺のまったり異世界ライフも安定だな。


――――と思っていた時代が俺にもありました。俺の考えは次の神の言葉によって打ち砕かれた。


「あ、そうそう。頼みたいことがあるんだ~。実はね~?この世界を最初に創ったとき、魔力の乱れが全然安定しなくてね~?それで『聖金』っていう金属を触媒にして魔力の乱れを安定させようとしたの。それで、今ほとんど乱れがなくなったから、回収したいんだけど神は地上に降りられないの。だからそれを回収してきてくれない?ちなみに今は聖金の周りには結構強力なダンジョンができてしまってて一般人じゃ太刀打ちできなくって…。だから頼まれてくれないかな…?」


申し訳なさそうに神が上目使いでお願いしてくる。


こうなってしまっては断れない。というかだれも断れないと思う。うん。


しかもチートな力まであるんだ。いけるだろ。


「わかったよ。集めることにする。」


「えっ本当?やったあ!!じゃあお願いねっ!」


本当に嬉しそうにして笑顔をほころばせる。


「じゃあさっそくその世界に転送させるね!」


「ああ、よろしく頼む。」


神が言葉を唱えると俺の体が光に包まれる。


「ばいば~い!」


「ああ、じゃあな。」


そういって俺の意識は暗転した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る