詩・飛行機と雲の上
辰巳杏
飛行機と雲の上
飛行機の小さな窓から見えるのは
細かく作られた繊細なジオラマ
見覚えのある店は
だんだんと航空写真のようになっていく
あせる心を空港に置き去りにして
飛行機の小さな窓から見えるのは
なめし革の大海原
ハウライトの白い波は
時が止まったかのように
飛行機の小さな窓から見えるのは
雲のグランドキャニオンや
白いビル群
(または白いメサやビュート)
やがて雲の大地が全てを飲み込み
何もない世界に落ち着いた
飛行機の小さな窓から見えるのは
群青色の海にしみる
砂浜に打ち寄せる波が再び動き出す
飛行機の小さな窓から見えるのは
灰色の大地
熱せられたコンクリートに降り立つと
じりじりとあせる心を取り戻した
詩・飛行機と雲の上 辰巳杏 @MWAMsq1063
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