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葵流星

チュートリアルは神様と!

第1話 死んでからがニューゲーム

「あのさあ…?」

「ん?どうかしたの?」

「いや、お前まだデスティニーなんてやってんの?」

「ん、まあね。他に面白そうなの知らないし…。」

「そっか、それじゃこっち来ない?」


そう、友達に誘われたのがこのゲームだった。

今、思えばなんでこのゲームを消さずに残していたんだっけ?


「…ん?」


ここは、どこだ?

身体を起こしてみた。

俺は確かJAXAの見学に来ていて筑波にいるはずだった。

しかし、周りはどこをどう見てもヨーロッパの草原のような景色が広がっていた。

旅行会社のパンフでよく見かける景色だった。

本来ならば綺麗に見えるはずだが恐怖しか感じなかった。


「お~い!大丈夫かい?」


どこからともなく声が聞こえた。

俺はJAXAの職員だと思い、声をかけた。


「はい、大丈夫です♪」

「いや~、良かった~君で五人目だ。」っと、職員は返した。

俺は後ろから声が聞こえたのでそちらを向くと・・・。

「…?」

高圧電流がそこには、あった。


「はあああああああああ!」

「おっと、失礼!私の名前トールだ!」

「いや、待てって…何?」

「トールだ!いや~、すまないことをしたねえ…。」

「すまないことって…ここはどこだ?」

「ああ、高月直人君、君は死んだ。そして、ここは私の庭園だ。」

「何を言って…。」

「ああ、それじゃあこれを見るといい。」


そういうとトールという高圧電流の塊は俺の前に映像を流した。

それはまるで空中投影型ディスプレイのようだった。


「「くっ、なんだ地震か!」」

「「はい…なっ、炉内にて異常振動」」

「「すぐに停止しろ!」」

「「ダメです、間に合いません!」」

「「早くっ…」」


ザザー…


「これは・・・?」

「ああ、これは君の近くで実験していた粒子炉付近の映像だよ。

君はこれに巻き込まれて死んだ。」


「…そんな。」

「ああ、すまなかった…。」

「なんであんたが謝るんだ?地震なんて自然現象だろ?」


っと、俺は困惑はしてはいたが何とか落ち着こうとした。

ただ、情報が欲しかった。

これが、夢であって欲しかった。

きっと、起きたら病院で倒れているのだろう。

死んでなんかいないと思いたかった。


「ああ、そうだが…今回は別だ。」

「えっ?」

「私のオーダーミスだ。」


今、なんて…?


「君を殺したのは私だ、そして、君以外の人も殺した。だから私は、あくまでも贖罪ではあるが選択肢を用意した。審判の日まで居続けるか、他の世界に転生するかだ。さあ、君はどちらを選ぶ?」







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