月に告ぐ

第1話 出会い

 母が死んだ。

 自分は幼く、何もできなかった。


 事故ではない。


 当時はまだよく知られてはいなかったが、『それ』の襲来だった。


 家族で休日を楽しんでいる最中だった。楽しく温かな日常は破壊され、自分を取り巻く環境が変わり、世界の様相も一変した。研究者であった父は、この時から大きく変わり、優しく温和な存在から、「狂人」と言われるほどに仕事に執着するようになった。

 そうした悲劇を経験したのだから、自分も『それ』に関わっていくことは自然な流れだったように思う。



 人類は火を手にし、石器を使い、太古の昔から周囲の環境を変化させていった。

 その造作の果ては、宇宙空間にまで達していた。


 地球という一つの閉世界から飛び出したこと、これは人類の英知の結晶の成果であり、人類の栄光と名誉を示す象徴となっていた。しかし、これは造物主を冒涜する行為であったのか。


 『それ』は外宇宙から飛来した。



 『それ』とは外宇宙生命体。

 異次元から突如現れたとも言われ、知的生命体であるかもわからない。22世紀初頭に現れたこの物体は、人類とは意思疎通を図らず、人類に対して完全なまでの敵意を抱く人類の天敵であった。

新たな、正体不明の敵の存在に、当初、人類は今までの歴史通り、何らかの方法をもって、この問題を克服できると考えていた。


 確かに『それ』は生命体のようであり、打撃を加えることで、損傷し、活動を停止する。しかし、通常の兵器では有効な攻撃とならず、敵を打倒しうる手段が限られている状態で、人類は大きく苦戦を強いられていた。


 また、特異な性質を持ち、有機物、無機物を問わず、「融合」や「侵食」といえる形で、一種のキメラを作り活動する性質をもつ寄生能力を持っていた。そして、人間の精神すらも侵食融合する。


 人類はこの相手に長い戦いの歴史を刻んでいる。人類は今、滅亡の危機に瀕していた。


 『それ』は、宇宙の虚空から現れたと表現される、「ヴォイド」と呼称された。



「おはようございます、市民の皆さん。朝のニュースです。統和軍は、太陽系外ラインにてヴォイドの猛攻を受け、今後の戦線の維持がより厳しいものになると見通しを立てているようです。この状況を打開するため、新たな作戦の展開を開始すると軍上層部の決定が公表されました。この決定の説明の為、軍広報担当者による記者会見が昨日未明に開かれました。広報担当者ミハエルサラエヴォビッチ中佐は次のように話しており……」


 起床し、朝の食卓へと向かうと、父が食事をとっていた。


「博士論文は順調か、熱心に研究していると聞いている。」


 父から久しぶりに話かけられたように思う。まだ自分のことを気にかけていたとは驚きだ。父は悪い人間ではない、息子への愛情もあるのだろう。……ただ、あの日以来、父は仕事、研究にとりつかれていた。普段は、朝早くに研究所へと出向き、夜遅くの帰宅か、しばしば帰らない日もあった。


「研究は楽しいよ。でも、査読で教授会から認められるかどうかはわからない。」


 父は私の発言を聞き、少しの間押し黙った。


「……そうか、早くドクターを名乗れるよう努めなさい。母さんも喜ぶだろう。」


 今日は母の命日。父も、遠い日の母と子、幸せな家庭だった情景、あの頃の感情がよみがえったのだろうか。


「では、私は仕事へいく。」


「うん、気を付けて。僕は母さんの墓へ寄っていきます。」


 父が母の墓前へと立ち寄らず、仕事を優先しているのは例年通りだ。母の生前には、子供心にも、両親の仲が特別睦まじかったように思う。

 しかし、故人を忘れることで、その悲しみを乗り越えようとする。そのような乗り越え方は、自分とは価値観が合わない。そのことで以前父と何度か衝突した。今ではもはや、わかりあうことは難しいだろう。母の話題を避けているうちに、お互いに干渉を避けるようになり、接点の少ない生活を送っていた。


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……若き頃に最愛の妻を失ったのだ。

仕事に打ち込むことで、伴侶を失った悲しみを忘れようとしていたのかもしれない。


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『統和民主主義』

 統和政府、旧来の思想の垣根を排し、人類をまとめあげることに成功した人類史上初の世界政府。

ヴォイドの侵攻以前、地球には多くの国家が存在し、互いに利害関係があり、衝突、緩衝、外交を繰り返していた。

 そのような内輪揉めを繰り返しているような状況で、人類はヴォイドの侵攻には到底太刀打ちできず、あっという間に、太陽系外における戦線の劣勢に立たされた。


 人類が初めてその支配領域を手放したこと、ヴォイドの登場という共通の敵ができたこと、この二つをもってようやく人類は結束し、敵を打倒せるべく、地球に、太陽系における統一的な政府が設立された。その主義思想は統和民主主義と呼ばれている。


 統和民主主義は全と個の調和を目的とし、政治家が存在しない。現行社会における問題をAIが発掘し、その問題を解決する政策もAIが提言する。そして、その政策案に民主主義を適用、つまり、AIが提案した政策案に対して市民が直接投票することで、施行の決定を為すというものだった。


 従来の社会において、AIを利用することで解決する問題が大まかに二つあった。


 ひとつはパレート効率性の発掘と実施である。ある資源を利用する際に、2者間で、一方の利得を損なわずに、もう一方の利得を改善できる状態を、パレート非最適な状態にあるといい、改善した状態をパレート最適と呼ぶ。つまり、誰かを損させずに誰かを得させることができる状態を言う。資源配分の効率性を指すものが、「パレート効率性」と呼ばれた。


 実際の社会においては、過去の社会システムに縛られる等、多様な要因や原因から、このパレート最適が常になされているとはいえず、資源の利用において多くの無駄が生じていた。また、人類は、そもそも自身たちの現状が、パレート非最適の状態にあるとすら気づいていない場合も多くあった。


 そして、もうひとつの問題は、エッジワースボックス問題と呼ばれるものである。仮に、パレート最適の状態にあっても、富者と貧者は必ず発生する。「公平さ」「平等」を考慮したものではなく、パレートの概念は、あくまで、資源利用の効率性に着目している概念に過ぎず、最適状態は複数存在するのだ。

 例えば、無人島で二人の人間がいたとして、一本の木に生る一個のリンゴが存在したとしよう。その一個のリンゴを一人で丸々食べてしまうことは、パレート最適にある。資源の無駄がないからだ。


 このような単純な状態であれば、リンゴを半分に分けて食べることを公平だと考えるものもいるだろう、確かに。これも資源の利用に無駄がなく、パレート最適な状態だ。だが、実際に、これを社会に適用すると様々な問題が噴出する。


 そのリンゴを取るための労力を、報酬にどう反映させるのが公平か?一つのリンゴを分けて、二人は生存できるのか?では、結局どのように分けるのが公平なのか?


 この単純な例であっても、富の偏在、働かざる者食うべからず、種の維持存続、幸福度の平準化、種々の問題が潜在する。つまり、どのパレート最適の状態が人間社会において公平か、ということが人類のふたつめの問題であった。


 2045年に開発された人工知能は技術的特異点と呼ばれ、人類の知能を超越した「強いAI」であった。この強いAIは、人類が採用してきた従来の社会システムにおける二つの問題を解決した。


 AIは従来の社会システムを、人間では不可能な、偏見を完全に配した立場から評価した。そして、そのシステムの構築維持に対する各個人の貢献度合いを数値化、計算し、各社会システムから享受できる人類の幸福度も可能な限り数値化することに成功した。


 これらの成功により、パレート最適な状態にある社会システムとそうでないシステムの分類が容易となったうえ、貢献度合いと幸福度合いのバランスを検討し、どの社会システムが、最も公平であるかをAIが提案した。つまり、「限りある資源を有効に」、「最大多数の最大幸福」という二大命題が人類史上最も効率的に解決された。



 では、人類はこの社会システムを支えるにあたって、どのような歯車となるのか。

 逆説的だが、人類は新たな社会の構成要素となりながらも、人類は歯車となることを受け入れなかった。「自分の未来は自分で決める」、つまりAIの提案に対して、実際に実行するかどうかの決定を下すことが、人類の仕事であるとして、社会システムに人類の関わる余地を残した。その自決権、裁定権、裁量権こそが、人類が世界に責任を持つことを意味し、唯一残された人類の誇りであったともいえる。


 このようなAIによる統治を土台として、人類がその結果に責任を持つ、この社会システムを統和民主主義として、人類は新たな主義を生み出し、受け入れた。そうした新たな統和民主主義は、個人と社会の和を統合するといった意味を持っていた。統和民主主義の実態は、AIが各市民の社会への貢献度と各幸福度を計算し、市民はその状態に応じた適切な住居を割り当てられ、能力に応じて最適な労働を提案・推奨される、緩やかな管理社会であった。


 私の暮らす州都には、多くの州都同様に、北部の軍事区、東部の居住区、南部の商業区、西部の工業区に分けられ、中央に州政府が存在する。軍の研究所に勤める私の父は居住区と軍事区の接する部分に住居を割り当てられていた。



 私は、市民に推奨される数秒で調理完了となる簡易朝食を片付け、食器を素早く洗い、出掛ける準備をした。自宅を出て、居住区に隣接する墓地へと向かう。

 「墓地」といっても、旧時代のように骨や遺体の埋葬がしてあるのではなく、数個の墓碑が規則正しく並び、その故人の栄光を称え、死後の安寧を願う文言が書いてあるに過ぎない。魂の平穏を祈るものだ。

 ヒトがヴォイドによって亡くなれば、多くの場合寄生汚染を受け、完全滅菌処分となっている。

どのような死因であっても、衛生面の危険やヴォイドの寄生をおそれ、現在では焼却滅菌するために、骨も何も残らない。


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ここには誰も眠っていなかった。だが、人間は今なお故人に思いを馳せる場所が必要だったのだ。


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 母の墓前に花を添える。母の死はヴォイドの襲撃によるものだった。幼かった私は、憎しみよりも悲しさや寂しさが勝っていたこと、そして無垢な好奇心から、「ヴォイドがなぜ人を憎むのか」という疑念を、その頃からずっと抱き続けてきた。


 私が大学において、分子生物学を専攻しているのもその為だ。多くの若者が義務教育後、軍へと志願し、命を散らしていく中、その疑問を解き明かしたいがために私は博士課程にまで進学していた。修了後は私も軍の関係施設に所属するだろう。


 ヴォイドを、少しでも理解しようという私の考えは、今の世に到底受け入れられるものではない。

母はなぜ殺されたのか、その回答を得たい。ヴォイドに殺された母は、そのようなことを考えている息子の私を、どう思うのだろうか。



『教育機関と職業選択』

 現在では統和政府管理の教育機関のみ存在し、大学が最高学府にあたる。

 人の持つ「科学」は後退することなく、科学の興隆は衰えることを知らなかった。社会に出るうえで必要な学習内容は、過去と比較して、年々増加し膨大な知識量となっているが、社会準備期間としてのモラトリアムや義務教育期間が極端に引き延ばされることはなかった。それは、社会の教育制度の大幅な効率化と人間の学習能力が大幅に進歩したからだ。初等教育機関6年の後、能力適性診断機関としての中等教育4年、計10年が義務教育となっていた。


 中等教育はカレッジと呼ばれ、ここでそれぞれの適性が計測される。管理AIによる分析がなされ、各個人の性格、能力等を考慮したうえで、推奨される職業の提案がなされる。この提案を受けるも受けないも自由だが、その後の社会生活において、社会において求められる貢献度を、十二分に満たせる確率が低くなりがちであった。その結果、多くの場合、管理AIの提案を受ける市民がほとんどだった。カレッジ卒業後に高度教育の大学への進学、商業、工業、軍事などの産業に就職する選択肢が市民には提供されていた。



「物思いにふけっている場合じゃなかったな。教授との打ち合わせもあるし、論文の続きを書かないと。」


 母の墓前に添える為に使った桶等を片付ける。今でもこのような古臭い習慣を続けている人類は滑稽だが、いかにも人間らしいと思う。AIを用いた先進的な社会であっても、現在の文化的風俗は21世紀ぐらいからほとんど変化していない。歴史上の文化の変容と比較しても100年も経過すれば、その慣習などは大幅に変わるものだ。

 社会学者によれば、人間は縦に伸びる余地はあったが、21世紀時点で横の広がりはもう限界に達していたというものもいれば、AI社会における人間の反発だと主張するものもいる。人間は、人間らしい文化を今も維持しようとしているとのことだ。私は後者の考え方が好きだった。


 墓地を抜け、公園を抜けた先の中央区の大学へと向かう。各区と中央区を分断する公園は、輪状に広がり中央区を囲むようにして作られている。計画都市の為、防災施設としての意味を持つ公園は、市民の憩いの地としてもよく利用されていた。緑が豊富で、よく管理されている。遊具もあり、子供がはしゃぎ、子供目当ての露店もよく出ていた。


 朝の少し遅い、この時間ではまだ子供も多くなかった。私は急ごうと足に力を入れる。公園の出口を走り抜ける際、視界の端に露店のアイスクリーム屋が店を出しているのが見える。アイスクリームを頬張る子供たちが、露店の周囲にいくらか集まっていた。さも美味しそうに、その甘さ旨さをベンチに座って堪能している子供もいた。


「こんな暑い日にはうまそうだなあ。」


 個人デバイスに目を配し、時間を確認する。


「……食べる時間はないか。」


 初夏の熱気を感じる今日には、暑さのあまり汗が滴る。ついつい、走る速度を落として、身体が欲しがる冷たさ、アイスクリームに魅力を感じてしまう。それでも、教授との約束の時間は迫っていた為、諦めざるを得なかった。先を急ごうとベンチの脇を通り、グンと足に力をいれた際に、腹部に強い衝撃を受けた。


「きゃっ、痛い。」


 背が低く、まだあどけなさの抜けきらぬ容姿の少女とぶつかっていた。


「あっ、すみません。お怪我はありませんか?」


 ……冷たい、ズボンがアイスにまみれている。


「こちらこそごめんなさい。よそ見をしておりました。」


 幸いにして少女は目立った外傷はなく、転んだ際に衣服に付いた砂埃を払っているだけのようだった。


「アイスを台無しにしてごめんね。新しいものを僕が買うよ。」


 本当にケガがなくてよかった。子供にとって、外で食べるアイスクリームなどは格別のもので、それを私が台無しにしてしまったのだ。私の失態をなんとか取り繕おうと、少女のアイスクリームを買い直そうとし、詫びを述べる。


「いいえ、私にも落ち度がありますし、お気遣いいただかなくて大丈夫です。ありがとうございます。むしろ、そのズボン、申し訳ありません。クリーニング代をこちらからお出し致します。」


 私の予想していた反応とは異なって、少女は、中学生程度の年頃とは思えない、大人びた対応、丁寧な口調で謝意を述べた。それは、決して作ったような過度な動作ではなく、自然で落ち着いた所作だった。まるで令嬢のような印象だ。

 目は主色をグレーとして、少し青みがかっているだろうか。強い意志を宿した瞳という印象を受ける。その雰囲気に気圧され、彼女の提案を無下にし辛い気がした。


「こちらもよそ見していたから、これでお互い様ということにしよう。それにしても随分と大人っぽいんだね。今時の子は皆、こういう対応ができるものなのかな。」


 私は少女の反応に面食らい、つい年寄りめいた事を付け加えてしまう。


「ふふっ、お互い様にしていただいて、紳士なご対応をどうも。ですが、後者に関しては、物申します。私、一昨日24歳になりました。」


 どう見ても中学生ぐらいにしか見えない少女が自分よりも年上だということに驚きを隠せない。落ち着いて彼女の姿を改めて見直しても、せいぜい12~15歳程度だろう。やはり子供に見える。

 なるほど、身長は140㎝台程度か、175㎝ある自分からは前方を見ていると、目に入るか入らないかといったサイズだった。私の身振りや態度から、私の感じたものを、何か察したらしい。


「女性の年齢を聞いて、驚くのは、失礼では?」


 ふふっとまた笑う。緩く握った右手を口に軽く当て、サラサラとした黒髪を揺らしていた。程よいボリュームで、肩の長さほどの黒髪、ボブカット。その黒髪は健康さを象徴するように、艶やかであり、程よい光沢があった。太陽の光を鈍く反射させていた。


「……失礼しました。自分の世間知らずぶりを恥ずかしく思いました。お詫びといってはなんですが、こちらのアイスを一つごちそうさせてくださいませんか。」


 私は初対面の女性に対して、自分が礼を失していたことを自覚すると共にひとつの感情が湧く。もう少し、彼女の笑みを見ていたい気がした。頬にはソバカスが少し残っているが、鼻筋も通っていて、大人だと聞いた今でも、この少女の将来は美人になるだろうと感じてしまった。


 私の提案に対して、彼女はブルーグレーの目を少し見開いて、軽く驚き、私の様子が面白いと思ったのか、またにこやかに笑った後、すぐに答えた。


「ふふっ、素敵な紳士ですね。じゃあ、いただこうかしら。」


 と、また花が咲いた。まるで太陽を浴びた向日葵のようだった。


「……良ければ、僕にもおすすめを教えてください。」


 この女性に上手く手玉に取られたような気がする。だが、気分は悪くなかった。アイスクリームの報酬が、この笑顔なら安いものなのだろう。


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最初の出会いは、決して特別なものではなかったが

それでも私の人生に大きな変化を与えるものだった。


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『エミリー・C・ワトソン』

 この人物を評する単語は様々あり、天才、奇才、佳人、変人などがよく使用されたが、

とりわけ、「分子生物学の白眉」という評価を、多くの人がよく好んで使用したようだった。

彼女は、ヴォイド邂逅初期において、ヴォイドにDNAがあり、ヒト同様に二重螺旋構造を持つことを発見した。続けて、ヴォイドDNAの構造において、ヒトと比較して、塩基が2つ多いことを発見した人物でもある。


 見た目は、旧時代による分類でいえば、ホワイトコーカソイド的な特徴がそのまま当てはまる容姿だ。美しく煌めく金髪に、鮮やかな碧眼、スタイルも艶めかしく、端的に言って美人だった。現在において、人種的な区別など21世紀以上に無意味となっていたし、その分類は制度的に厳しく制限されていたが、まさに誰もが憧れる容姿と頭脳を持つ才色兼備な人物だった。


 彼女の性格は強気で男勝りだったが、器の大きな人柄でもあった。自分が学士から大学院へと進むにあたり、師事する教授を検討している最中、偶然話す機会があった。


 彼女に対して、自分は「ヴォイドがなぜ人を殺すのか」を解き明かしたいと伝えると、彼女は「面白い!君の様な人間を待っていた!」と力強く応えた。


 この時代、ヴォイドの行動に動機があり、知性があるという考えは学会で強く否定されていた。また、イデオロギー的観点からも、ヴォイド共感派の疑いがかけられることをおそれ、自分のような考えを持つものには誰も近づこうとはしなかった。他の研究者からの揶揄や嘲笑から、随分と彼女に助けられたものだ。


 彼女のそうした自由闊達な人柄と端麗な容姿に惹かれる人間は男女問わず多く、結婚こそしていなかったものの、多くの恋物語が繰り広げられていると噂ながらに聞いている。彼女の性格、兄貴分か、姉御肌か、そんな彼女の魅力は自分もよく理解できた。



「おお、修司。来たか。君の博士論文についてだが、この部分な、絶対に反論されるぞ。ミューラー氏の”岡崎フラグメントに関する生体的意義とその発現の仕方”って論文あったろ、あれをもう一度よく読んで考えてみろ。」


「はい、教授。あと、この部分についてですが、論理の展開に、自分でも納得がいっておらず、何かアドバイスを頂けませんか。」


「どれどれ……。」


 こうした論文に関しての話題は、我々の間では挨拶もなく開始され、一時間、二時間に及び意見が交わされる。


 研究室は良い立地にあり、木漏れ日が窓を通して、ふんだんに射し込んでくる。壁一面の本棚をバックに配し、中央には大きなデスク、日焼けした書類が乱雑に積み重なっている。そんな研究室の一画に、小奇麗な棚が設けてあった。

 エウロパコロニーのデザイナーによる高価なコーヒーミル、専門店で厳選した焙煎豆、確かモカ・マタリやマンデリンという名前だったか、そして教授こだわりの独自のブレンドのコーヒー。ガラス作りのサイフォンがこの一画に更なる風合いを醸成していた。


 こうした光景は、私にとって戦時である今を忘れさせ、自分の思考を紐解き、尊敬と憧れをもって議論を交わせる、穏やかで、かけがえのない時間だった。


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この人に師事して本当に良かった。この人がいたことで救われたことが何度もあった。

この共有した時間を、教授と私が、同じように美しい時と感じていたかはわからないが、

そうであってほしいと願っていた。


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 議論がひと段落し、教授と雑談を交わすのも恒例の習わしだった。ファイヤーキングのカップを片手に、宇治のきんつばを頬張りながら教授は言う。教授のブレンドコーヒーの香りがほのかに鼻をくすぐる。


「修司、君の考えはわかるし、この着想の原点も君の母君のことから理解できる。だが、この論文を学会に出せば今以上に風当たりは強くなるぞ。……それでも提出する覚悟はあるのか。」


「正直、自分自身悩んでいます。軍関係者の父の立場が苦しくなるでしょうし、僕も共感派のレッテルを貼られることになるのは好ましくないです。」


 教授はティーカップをソーサーに置いて、ソーサーへ視線を置いたまま言葉を続けた。


「共感派か……、現体制を破壊してくれるかもしれないヴォイドに対して共感思想を持つ連中。そんな蒙昧な思想に憑りつかれた、哀れな存在だというのも理解できる。だが、今の時代、彼らは所詮は反体制者という立場に過ぎない。私は……、君の考えが彼らと共通している点が心配だ。」


「この論文が完成してから、実際に発表するかどうかを考えようと思っています。今は自分の幼い頃からの考えをとりあえずでも纏めようと、論文を書いているんだと思います。」


「……そうか、まあそれも悪くない。また何か悩みがあったらいつでも相談してくれ。」


「有難うございます。教授にはご迷惑ばかりおかけして。」


「なに、かわいい教え子のことだ、気にするな。……と、今日はここまでだ、私はこれから人と会う約束がある。論文を進めておいてくれ、また明日会おう。では、また。」


「はい、有難うございました。」



『共感派』

 人類がヴォイドに対してどういった姿勢をとるべきか、過去から、そして現在でも多く議論がなされてきた。ヴォイドは、人類と出会うなり、問答無用に人類に攻撃を開始した。その被害を受けた当人やその遺族は当然、ヴォイドへの憎しみ、敵意を募らせ、ヴォイドを殲滅しろと強く主張した。

 人類は、個人の多様性が全体の発展に寄与するという強みを持っていたが、ヴォイドに対する姿勢でも、その特性が発揮され、ここでは悲劇を生み出した。つまり、ヴォイドにも理屈があり、何らかの理由をもって攻撃を仕掛けてきたのだから、共感をまず図るべきといった勢力も出現してきたのだった。

 人間は、ヒト以外の他の種に対して、食用として、狩猟の道具として、観賞用として、愛玩動物として、はたまた心を癒すパートナーとして、従来から様々な姿勢で接してきた。その中には、愛情、いや偏愛ともいうべきものもあった。ヴォイドに対しても、その度合いがとても強い勢力があったのだ。

 その勢力の数は多くはないが、少なくもなく、ひとつの思想勢力として十分に認められていた。それを「ヴォイド共感派」と呼んだ。


 今ほどの劣勢に追い込まれていなかったことで、当時はまだそれを受け入れるだけの余裕があった。だが、近年では、共感派の中にも思想の多様化が起こり、大別すると人類内での調和も重視する穏健派、そして過激な手段を用いて主張を推し進める過激派の二大勢力に分かれていた。


 現在では、AIも過激派をスパイとしての認定を提案し、行政府もそれを受け入れていた。言うなれば、過激派は人類の敵となっていた。仮に穏健派であっても、潜在的に過激派に変貌するおそれがあるとして注視され、今の社会システムの中では、居心地の良い立場ではなかった。



 教授が出かけた研究室で、一人論文を書く。世間では、ヴォイドの攻勢と人類の劣勢が話題をさらい、多くの人が侃々諤々と意見を交わし、各個人が社会に対してどのように貢献できるか、自分に課せられた職務をどう貫くか、その様な考えを持ちながら懸命に生きている。そして、誇りをもった生を全うしている。

 自分は、そんな世間とは遠く、幼いころから抱き続けてきた考えを実際に正しいかどうかを、多くの文献を読み漁り、知識を集め、今なお追及している。


「ヴォイドがなぜ人を殺すのか」


 今の体制下でこのようなことを考えているなど、自分の疑問のため、自分のためだけである。このような自分は、人類の一員として相応しくないのではないか。なにせ共感派に近しい思想だ。仮に、これを解き明かしたとして、母の魂は救われるのだろうか。



『魂と虚次元』

 人間には自由意志や魂が存在するか。この問題は、21世紀において一応解決された。


 人の行動は、例えば、手を挙げるという動作を取った時に、手を実際に挙げる前の段階で、腕の筋肉を動かしている。腕の筋肉を動かす前の段階で、電気信号により筋肉に対して、筋肉を動かせという指令が脳から飛んでいる。これを突き詰めていくと、すべての行動は前段階が存在し、すべての物事は動く前から決定されていると考えられていた。つまり、人に自由意志はなく、人の営みは現象に過ぎない、と。


 だが、本当にそうだろうか。

 脳から神経、神経から筋肉へと電気信号を発する仕組みは、神経細胞における髄鞘という「道」の部分に、負電荷と正電荷が交互に変化することによって伝達が行われる。

 これを、より微細の世界において観察すると、神経細胞にナトリウムポンプとカリウムポンプが存在し、これらが細胞内外にイオンを授受することで、電位差を生み出していることもわかっている。

では、この変化を起こせと指令を発するのはどこだろうか。電位の変化が神経の伝達ならば、この電位の変化を起こすように決定するのはどこなのだろうか。

 それは極僅かな時間で行われるということが、21世紀にはわかっていた。脳からの指令の神経伝達で行動は起こるが、その大元の極僅かな時間で、人間の自由意志によって身体を動かしていると考えられた。つまり、人間に自由意志はあるのだ。


 だが、その自由意志の拠り所は精神と呼ばれ、科学的に言及することが極めて難しかった。ウィトゲンシュタインは言う、「語りえぬことについては、ヒトは沈黙せねばならない。」


 しかし、それを決定する器官は、現在では判明している。それは古代からその存在が信じられてきたもの、つまり、魂と呼ばれた。虚次元に存在する人間の魂、魂が虚粒子の振動を通じて、実次元の脳に干渉していることがわかっている。


 古代ギリシャの哲学者ユウェリナスは、「健全な身体に健全な精神が宿れかし。」と述べた。これは彼の願望である。しかし、魂が身体を動かしており、身体と繋がっていることがようやく科学によって証明されたのだ。仮に、魂と肉体の双方向性の干渉が可能ならば、この理屈は十分に有り得た。




 自身の研究の意義や意味を考え悩み、少し呆けていたようだ。気づくと、ピピピと個人デバイスが音を立てて、メッセージの着信を知らせていた。


「修司、明日の18時から飲みに行こうぜ!カレッジのやつら誘っといたぞ!」


 カレッジ時代の同窓の友人からの誘いだった。昼過ぎに教授と別れ、論文作成にだいぶ熱中していたようだ。窓越しに外を見ると、もう日が落ちようとしていた。


 ここのところ、ずっと研究室に籠もりきりだった。たまには飲みに行くのも悪くない。カレッジの連中にも最近会っていなかった。自分は研究者の道を進んでいるが、ほかの友人は商売人、医療関係者、軍属等様々な道に進み、立派に働いていた。

 久々に仲の良かった連中が全員集まるらしい、予定の都合をつけやすい自分が最後に連絡を受けたのも、ほかの友人の都合優先だったからだろう。


「了解、明日を楽しみにしてる。」


 メールの返信を打ち込み、研究室の自分のデスクを片付け、帰宅の準備をする。自分の固定端末の電源を落とし、部屋の電気を消すと、何かの機械音が聞こえた。・・・教授の固定端末の電源がついたままだった。美人で、頭脳明晰な教授でもこういったずぼらさを持っているのだ。そこがまた魅力のひとつなのかもしれない。勝手に触るのもいかがなものかと考えて、そのままに私は研究室を出た。


 夕方というにはやや遅い時間帯、帰宅ラッシュも終わり、公園は少し静かな空間だった。今朝の公園は、母の墓へ寄ったために、出勤には遅い時間ということもあり、閑散としていた。同じように静かな公園で、出会った女性を思い出す。


 ・・・よく考えれば、24歳にもなって、朝からアイスクリームというのはあまり大人らしくはないか。

 彼女自身の年齢発言、彼女の仕草、言葉遣い、振る舞いから、すっかりと洗練された女性の中身の持ち主だと考えていたが、見た目相応の嗜好もあるらしい。私は、あの向日葵のような笑顔の少女、百合の花のように瀟洒な女性に興味を示している自分に驚く。


 そういえば、あの女性との会話も、教授との意見交換同様に、穏やかで心地よいものだった。あの女性も教授も、見た目から性格が想像できないという共通項を持っている。


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何よりも二人とも瞳に魅力があった、力強く、自分を肯定して生きているように感じた。

自分は強い意志を持った女性が好みだったのかもしれない。


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 一度、短い時間話しただけで、何をわかったような風なのか。自嘲せざるを得ない。女性の取り扱いを知った風な自分に笑う。でも、あの見た目とあの笑顔、ついつい思考に上る不思議な人であることは確かだ。


「こんばんは、またお会いしましたね。」


 後ろから、急に声をかけられた。今まさに思考に上っていたあの少女だった。当人のことを今意識していただけに、焦ってしまう。


「こ、こんばんは。お久しぶりです、お元気ですか。」


 私は焦りから、頓珍漢な挨拶をしてしまう。彼女は、首を少し傾けながら、私の様子を訝しむ。


「なんですか、それ。今日の朝、お会いしたばかりじゃないですか。」


 それはそうと……、と言葉を続ける。


「今朝はアイスクリームごちそう様でした。あのアイス屋さんのラムレーズンが至高なんですよ。」


「確かに、オススメ、美味しかったです。よくあちらには来られるんですか。」


「はい、仕事がお休みの時間には、これが唯一の楽しみですね。」


 ふふっと、夕方でも向日葵は顕在だ。


「失礼ですが、お仕事は何をなされているのですか?」


 この時代では初対面の人間に対して、ひとつの定型な挨拶となっていたのが、職業に関することだ。

 それは統和主義下において、職業が、社会に対する市民の貢献度を示すものであり、職業に対する適性から、その人の人となりが容易に推測できたためである。


 旧時代において、労働とは、その人間の自己実現を達成するため、幸福を得るため、その手段であったとバートランド・ラッセルは語っていた。その労働に伴って、職業というカテゴライズを社会が下すに過ぎない、と。


 ゆえに、生産に寄与しない人物も、社会に蔑まれはするものの、そういう生き方が自身にとって幸福なのであれば、「その生き方も在り」だと解されていたように私は解釈している。

 しかし、現在はAIの管理する社会を是としている。トマス・モアの風刺したユートピアとディストピアの管理社会的な概念よりも、現在の社会は、実際にはとても人間的な社会であると思うが、それでもこうした小さな挨拶にも息苦しさはあった。


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ユートピアとは、「どこにもない場所」なのだ。


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「詳しくは話せませんが、実験助手のようなものですね。」


「そうなんですね、僕は研究者をやっています。似たような職業ですし、ひょっとしたらどこかでご一緒することもあるかもしれませんね。」


 詳しくは話せない。これも常套句だった。軍属者は機密が多く、所属先すら明かせないことも多々あり、これは軍属であることを暗に意味するフレーズであった。


 実験助手というのならば、研究関係でひょっとしたら父にも関係しているのかもしれないが、それは当然聞くことはできない。むしろ、軍属者がこのような情報を一般市民に与えることすらレアケースだった。彼女はあえてその発言をしたのか、何か意図があるのだろうか。少し訝しむ自分に対して、彼女は私の表情から何かを予想したらしい。


「アイスをごちそういただいたのに、名前を聞かずお礼を言っていたのが申し訳なかったのです。」


 どうやら、私が突然話しかけられたことを疑問に思っていると彼女は判断したらしい。その推測は私が考えていたことからは少し的がズレていたが、私にとっては都合が良かった。この外見と中身にギャップのある女性に興味があったし、自己紹介もせずに話し合うというのはなんだか落ち着かない。


「これはご丁寧に、申し遅れました。僕は小笠原修司と申します。」


「私は八巻瑠奈といいます。自分で言うのも何ですが……、瑠奈、ルナ、月を意味するいい名前だと思いませんか?」


 月は美しさの象徴のひとつだ。彼女の微笑みの輝き様は爽やかで、月よりも太陽のほうが似合うように思う。だが、名は体を表すという、瑠璃色とも言える少し青みがかった瞳を持つ彼女に、月の輝きを持つような瞳と考えれば、とても似合っていると思った。


「素敵ですね。実は僕もお名前を知りたかったのです、また美味しいアイスを教えてもらいたくて。」


 女性に対して、少しでも会話の時間を伸ばそうとするなんて、何年振りだろう。今はこの丁寧なやり取りが、何となく、楽しい。きっと、これは彼女に対する好奇心が起因しているのだろう。


「次はチョコミントがオススメです。あそこのチョコは有名店のものを使っていて、

ミントは、化学香料ではなく、何と実際に植わっている葉から抽出しているそうですよ。」


「それはまた今時珍しいですね。値段を考えると、元が取れてるのか、大丈夫なのかな。」


「私たち消費者からすれば、美味しいものが食べられるから良いのです!」


 瑠璃色の瞳がキラキラと輝く。アイスクリームが本当に好きなのだろう。


「ところで小笠原さんは、朝はいつもあの時間に出勤されるのですか?」


「ええ、大体あれぐらいですね。今日は公園を通る前に、少し寄るところがあったので少し遅くはあったのですが。」


「私も大体あの時間ぐらいに休憩を頂くので、次はチョコミント、私がごちそうさせてください。

今日ごちそうして頂いたお返しを。」


「いえいえ、気になさらないでください。」


 そう返事をして、しまったと思った。ここで素直に遠慮をしては、この心地よい穏やかな関係が切れてしまうかもしれない。


「ふふ、チョコミント、ぜひ食べてほしいので、私がそうしたいんです。」


 随分と積極的な発言だが、私は内心、ほっと胸を撫で下ろす。


「じゃあ、楽しみにしていますね。お願いします。でも、チョコミントの評価を甘くしたりはしませんよ。」


「味には自信ありです。……そろそろ休憩時間も終わりなので、これで失礼します。また、朝に会えるといいですね。」


「はい、八巻さんもお気をつけて。」


 外で食事を済ませて帰宅すると、20時をまわっていた。父はまだ帰宅していない。今日も軍の研究室に泊まりなのだろうか。家で過ごしていることの方が少ないようにすら思う。

 私は就寝の支度を済ませ、床につくことにした。今日一日の疲れが出て、すぐにうとうとしてしまう。


 そんな折、突如轟音が響く、ゴオンといった何かが何かにぶつかったような音、何度か聞こえたように思う。看板が落ちたとかそういった規模ではなく、ビルが倒壊したような規模の音だ。


 嫌な思い出が甦る、母の死んだ時だ。

 母がヴォイドに殺された時、父は少し離れた場所にいた。自分は母に逃がされ、父と合流したころには、母とともに私がいたビルは倒壊していた。人々の悲鳴、絶叫、泣き声。もうもうと立ち込める粉塵、ホコリの匂い、血の匂い。視界は薄暗く、私も額から血を流していたという……。


 その嫌な思い出を振り払うように、すぐさま個人端末をオンにして、緊急情報を確認する。


……何もない、先ほどのような大きな音が自分の勘違いということはあるまい。


 情報が出ていないのならばと、自宅の外に出て、周囲を見渡すも、同じように音を聞いた隣人達が家の外でなんだなんだと確認に出てきていた。だが、その騒ぎの割に、誰も原因をつかめている様子がない。自分同様に答えが出ないようだ。


 どうしたものかと家の中に戻り、考える。実はこの市街地は、緊急速報が出ないほどの混乱の状況にあるのだろうかと、小一時間ほど待ってみても速報はない。今は戦時だ。何が起こってもおかしくはないが、いくらなんでもヴォイドとの戦線は距離がありすぎる。


 明日になればわかるだろうと思い、楽観的にも寝直すことにした。隣人の家の明かりも再びひとつひとつと消灯していることからも、同じ結論に達したのだろう。


 寝床へと再び落ち着くと、すぐに眠気が襲ってくる。

 今日はいろいろなことがあったな。

 明日が少し楽しみだ。


 寝入る際に、どうも父が帰宅したようだったが、そのまま意識は夢の中へと落ちた。

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