第18話 恋


「ごめん…!」


急いで起き上がろうとした。


瑠依上に倒れてしまったうえに、事故とはいえ、キスをしてしまうなんて…


「ぃゃ、だ…」


「え?」


瑠依が何かを言って、私をもう一度私を引っ張った。


聞き返そうとしたが、今度は完璧に瑠依と私の唇が当たっている。


どういうこと?どうして私と?


沢山でてくる疑問。


だけど今は、瑠依とこのままが…



私たちはどのぐらいキスをしていたのだろうか。


時間の感覚が分からないぐらい、瑠依の上にいた。


「ごめん。」


そう呟いて私を瑠依から離した。


「いいよ。」


「さっき、どうしてあんな事を聞いたの?」


「それは…」


本当の事など言えるわけがない。私が瑠依に恋をしているなんて。


でも、さっきのキスは何?


一度目は事故でも、二度目はちゃんとした…


「言いたくなかったらいいよ。」


「いや、そういうわけじゃないけど…」


「今日はもう帰ろう。遅いから。」


どうして教えてくれないの?


好きな人がいることも、キスのことも。


「待って…」


「おやすみ…それとごめん、忘れて…」


「え…?」


言いたいことだけ言って帰った瑠依。


私はどうしたらいいの?


涙が零れてきた。


あぁ…


きっとこれが恋なんだ。


私には一生無縁の感情だと思っていたけれど、こんなにもすぐに近くに。


涙なんてもう何年も流していなかったのにな。

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