男子高校生達の異世界日常 (旧 平凡男子高校生の異世界転移

田中太郎

第1話転移

「つとむー、早く起きなさーい!!もうお友達きてるわよー」どこからともなく声が聞こえる。

「あー、はいはい今いきますよーっと」


俺の名は、田中勉。本当に特筆するところもない、ごく普通の高校生。ラノベならこんな始まりの後、近所の幼馴染の紹介や主人公を囲むハーレムの紹介が挟まれるが、残念ながら自分の家の周りにはごく平凡な住宅街が並んでいる。

当然凄惨な過去などの設定もない。


「はぁ、めんどくせぇーなぁ」そう呟きながら俺は学校へ行く準備を済ませ、俺の支度を待つ家臣のとこへ向かうことにした。


「お迎えご苦労、我の家臣たちよ。」

「うっせぇわ!誰がお前の家臣じゃボケ!まぁ、なんでもいいけど早くいかねぇと遅刻だぞ!!」とぎゃーぎゃー騒ぎながらも糞真面目なことをのたまってる坊主頭のフツメンは金沢広樹、まぁ友達だ。


「まぁ、もちろん僕たちを待たせたんだから今日なんか奢るよな?」と笑いながらも怒るとかいう器用なことをこなすのは木下翼、金髪ピアスで一見不良にしか見えないがその整った目鼻立ちのおかげでただのチャラ男に成り下がっている。


「わかってるってとりあえず走るぞ!」俺は全速力で家臣どもを置き去りにしていった。

「おい、待てよ!ったく誰のせいだと思ってんだよ…」広樹が愚痴るが

「まぁ、しょうがないよ、いつものことだしね。」諦めの目をしながら翼はため息をつく。


なんとか学校に間に合った俺たちは、いつもの見慣れたクラスへ入る。クラスを見渡すともう全員が着席していて残りは俺らだけの状況だった。


「ふぅ、とりあえず俺が一番になったから奢りの話はなしな翼!」席につきながら言うと、「へぇ、勉はそういうこというんだね?わかったよ、もう今日のテストのカンニングの件はなしだ。」翼は、恐ろしいことを言い出したので、ここは俺の平穏のためにやむを得ないが、「帰り、ギガントバーガーのたんぴんでどうだ?」

「ん?よく聞こえなかったけどギターガントバーガーのセットって言ったんだよね?」ここでまさかの倍プッシュをかけられるが俺に逆らうすべもなく。なかなか了承するしかなかった。


そうして俺が項垂れていると、周りが段々騒がしくなっていることに気づいた。いつもの騒がしさとは変わっているため辺りを見回してみるとなぜだか、辺りが発光していた。


「あ、これ異世界転生やん。」俺の意識は途切れた

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