コイなど知らなければよかった

 コイといっても、「恋」ではなくて魚の「鯉」のことです。 

仕事で貴志川町の平池に行ったとき、橋状の通路から水面をのぞきこんだら、おおっ、でっかい鯉や、鴨がわらわらと寄ってくるではありませんか。

うーむ、何かあげたいけれど残念。ポッケの中に食べ物は何もな い。

待てよ! 車の中に何かあったはず。

 離れたところにある駐車場まで走って戻り、ダッシュボードから、不味くて半分食べ残していた黒かりんとうの袋をとってくる。鯉は黒かりんとうなんて食べるのかな?

 指で力任せにバキボキ砕いて、まいてやったら、カバガバと狂乱の踊り食いとなった。おお、そんなに喜んでくれるなんて、よしよし、次はもっとマシなもの持ってきてやるからな。二回目は家から非常用の乾パンをもってきましたが、あっというまに鯉の腹の中に消えました。よし、次は家中のパンの耳とあまりご飯をもってきてやるからな。

で、このとき、ふと疑問が浮かんだのです。野良猫に勝手に野良猫にエサをあげると近所の人に怒られるけど、鯉にエサあげても怒られるんだろう か? そもそも自然の鯉は何を食べているんだろう?

調べてみると、なんでも食べるらしいです。水草はもちろん、とんぼやカエルまで丸呑みしてしまうらしく、鯉のいる池ではメダカが全滅するとか。

そして、食べた物はすべてフンとなり、水底をかきまわすので、鯉がたくさんいる池は水がどんどん濁るんですって。

池の鯉にエサをどんどんあげるのは、池に生ゴミを捨てているのと大差ないとまで記されていました。そういえば和歌山城のお堀にも「コイにエサを与えないでください」と書いてあったなぁ。鯉にエサをあげる意欲が急速に萎えてしまいました。

 うーん、コイについてなど知らなきゃよかった。

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