暗闇の怖さ
寝る時に、部屋の照明を完全に消す人と、豆球だけつけておく人がいる。
その理由のひとつに「お化けが恐い」というのがある。
「完全な闇だったら、枕元に髪の長い女が立って、暗い沼のようなどろりとした目つきで自分の顔をじいーっと見下ろしていても全然わからないじゃないですか! そんなのこわ過ぎ るでしょ! 完全に照明消して寝る人の気が知れない」という意見なんですね。
しかし、照明を消して寝る人から言わせると、「豆球つけて薄暗がりにしておいたら、お化けがうっすらと見えるからよけい怖いじゃないですか。」ということらしい。
深夜に真っ暗闇の中で座禅する人も同じようなことを体験するらしいですね。
目を開けていると、近くに魑魅魍魎(ちみもうりょう)が迫ってこないかと目をつぶるのが怖く、いったん目を閉じると、今度はすぐ近くに幽霊がいるのではないかと目を開けるのが恐ろしいんだそうです。
私は比較的暗闇に強い方だ。(と自分では思う)
深夜に一人でウォーキングをよくやるし、よく夜釣りもやった。月も出ていない真っ暗な夜に、一人っきりで和歌山港の 堤防で竿を出していると、「今、背後から誰かにドンと押されたら、転落して間違いなくドラエモン、じゃなくて土左衛門になってしまうなぁ」と感じた。
怖くないかと言われたらやっぱり怖いのだが、この場合は、大物を釣りたいという欲が恐怖を上回っているのだ。(大きな魚は深夜に堤防に近づいてくるらしい。)
かくして夜の堤防で闇に慣れた私は、山での闇にも肝試しに挑戦してみようかと思った。
これが出来たら心霊スポットと呼ばれる場所でも大丈夫に違いない。
風土記の丘で懐中電灯片手に、単独で深夜ウォーキングを試みたのだ。
ここは日中来たことは何度もあるので一周する道はよく知っている。
夜中の12時過ぎに、いざやってみたが・・・・うっひゃあこりゃあ参った!
な んと、怖くて100mも行かないうちにUターンして戻ってしまったのだ。
山の闇に足を踏み入れたときの怖さときたら・・・もう半端ない怖さ!!・・・昔の古墳という場所のせいなのか、山の精霊だか怨霊だか知らないが、絶対何か潜んでいる! という気配が濃厚で、背筋がゾクゾクし、これはやめた方がいいと本能が叫んでいた。
懐中電灯を手にしているのに、四方の闇の中から見つめられているという思いに苛まれ、消せば消したで、いつ背後から抱きつかれるかもしれないととびびりまくり。
いやあ、自分がこんなに意気地なしとは知らなんだ。
そんなわけで、風土記の丘の深夜ウォーキングは10万円くれるといわれても断ります。(あ、20万円ならやるかも 笑)
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