第二部:救世主は、異世界で迷宮を攻略する

序章:救世主は、冒険生活支援者《ライフヘルパー》?

序幕:ダンタリオン

「大変だ! エイ爺さんが酸欠で倒れたらしい! 今、運ばれてきたってよ!」


「なにっ、酸欠だと!? ま、まさか……」


「ああ。元冒険者のがめつい爺さんだからな。入口を見つけて1人で入ったようだ……」


「入口って……やはり宝物庫種子ドレッドシードが発芽したのか!?」


「そうだ。今、町の若い連中が調べている」


「規模は……規模はどのぐらいなんだ!?」


「始まりの部屋に入った奴の話だと、20メートル四方はあったとか……」


「なんと……。ならば5キロ四方は間違いないから最低でも魔神級……」


「こっ、こうしちゃおれん! わしは宿屋を始めるぞ!」


「うちの食堂は拡大だ! 東町と西町との食料流通の手配を!」


「それよりも木材だ! 木材をおさえろ!」


「近くの村から鍛冶職人の確保だ! 冒険者がたくさん来るから武器の手入れがいる!」


「人が集まり宝があふれる。この寂れた町が……町が蘇るぞ!」


「ああ、そうだ! とうとうここにも現れたんだもんな。……巨大な地下迷宮……宝物庫迷宮ドレッドノートが!」



 第六聖典神国シッス・セイクリッダムのはずれ。そこにあった何の変哲もない寂れた村は、一夜にしてお祭り騒ぎとなった。

 現れたのは、やはり何の変哲もない穴。しかし、そこから続く先には、太古の神々が残した宝物ドレッドが眠る広大な迷宮ノートが繋がっていた。

 その迷宮ノートは、規模の大きさから魔神級宝物庫迷宮ドレッドノート【ダンタリオン】と名付けられたのである。


 そして多くの冒険者たちが、その迷宮ノートに挑戦していった……。

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