電車の先頭

 学校から電車で帰る時、当然座りたいと思っているからいつも僕は電車の一号車に乗る。部活がない日は各停の場合座れる可能性があるが、部活があるとちょうど社会人が仕事を終えて帰るまさにラッシュの時間とかぶってしまうから本当に苦労する。しかし休日の日は異なる。座れないことはほとんどない。だから部活があってもゆっくり休むことができるわけだが、そこではいろんなドラマが見受けられる。

 一つは小さい子どもをお母さんがだっこをして運転席近くの窓から線路の上を走る様子を見せている風景。私も運転手と同じ景色を見ていると、自分が運転しているようでどうも楽しい。眺めていて気付くことは数多くある。例えば駅が大きいとかなり曲がって作られているということ。今は当然のように感じるが、小さい頃そのことに気付いたときは不思議でたまらなかった。どうしてわざわざ面倒なことをするのだろう。そんな疑問を抱きながら未知なる世界へ引きずり込まれていくようで愉快だった。

 二つ目は駅員の様子。安全確認をするために運転中なんども指を指していたり不思議なことをしているのを見て、何を確認しているのだろう。と疑問を抱いている。電車に詳しい人はご存知だと思うが。

また運転手同士の会話も見ていておもしろい。同じ駅に到着した列車それぞれの運転手が駅に降りると、なにやら楽しそうに話している。先輩後輩の関係だったり仲が良さそうだったり。見るたびになぜかほっとして、嬉しい気持ちになる。

 三つ目は子連れの家族と運転手が短い会話を交わしたり、特別に子どもと運転手が握手したりという様子。忙しい中人との交流を心がけている人を見ると自分も見習いたいと思える。駅で働く人の素晴らしさに尊敬することが何度もあるのだ。

 他にもいろんなドラマが電車の先頭では起きている。小さなところにも目を向けて行動していかねばならないと毎度感じる。

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