第9話 光と闇と
剣と杖のぶつかり合う硬質な音が響き渡る。
リードの振り下ろす剣をミランダは
体力・魔力ともに少なくなったミランダなら組し易しと考えたのか、
「逃げるな!」
ミランダはそう叫んだけど、入れ替わりに襲い掛かってくる他のプレイヤー達が邪魔でリードを追撃できない。
ミランダの後方ではジェネットが残り少なくなったプレイヤーたちを次々と打ち倒していた。
高レベルのプレイヤーたちは各々得意とする武器や魔法を用いてジェネットに襲い掛かるけど、彼女は下位スキル
属性が光側に振り切れているジェネットの神聖魔法
しかし
そうした相手にはジェネットは
そんな敵を多数向こうに回しての近距離戦闘となるとジェネットも苦戦を免れなかった。
当初は手柄を自分のものにするべく各々勝手に武器を振るっていたプレイヤーたちもここにきて連携を見せるようになり、ジェネットは次第に追い詰められていく。
そしてついにジェネットは背後をとられてしまい、プレイヤーの凶刃が彼女を襲った。
「危ないっ!」
僕がそう叫んだその時、真っ黒な炎の塊がそのプレイヤーを直撃した。
プレイヤーは断末魔の叫びを上げながら黒コゲになって倒れていく。
その隙にジェネットは前方の相手を
そして驚いた顔で、黒コゲになったプレイヤーの
そのプレイヤーを打ち倒しジェネットを
ジェネットは前方を向いたまま、自分の後方に注意を払う。
そこにはミランダの姿があった。
まさかミランダがジェネットを助けるなんて……。
「……どういう風の吹き回しですか?」
隙を見せず警戒した表情でそう言うジェネットに、ミランダは
「あんたのことは大嫌いだけど、あいつに免じて一時休戦してあげる」
ミランダの言葉にジェネットは少しの間、黙っていたけど、やがて微笑を浮かべた。
「
そう言うと二人は残りのプレイヤー達に挑みかかっていく。
す、すごい。
あの二人が一緒に戦ってる。
水と油みたいに
ミランダの攻撃が光側のプレイヤーを滅ぼし、ジェネットの攻撃が闇側のプレイヤーを葬る。
二人の共闘は思った以上の相乗効果を生み出し、プレイヤーたちは次々と人数を減らされていった。
もはやその数は目視で数えられるほどまでになっている。
後方でリードは仲間から回復魔法と補助魔法を受けながら、ミランダとジェネットの奮闘に怒りと
「くそっ! これだけの数がいてたった二人を倒せないのかよ!」
リードは
残った彼の仲間たちもいよいよ不利になった戦局に、顔を見合わせて退却すべきかどうかを口にし始めていた。
「やばいぞ。リード。このままじゃ負けちまう」
不安げにそう言う仲間の
「馬鹿野郎! これだけの物量で敗北なんてことになったら俺たちの面目は丸つぶれだ! 次のアップデートで降格されちまうだろうが!」
その時だった。
街の一角で大きなどよめきが上がったんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます