第5話 取り残された男
アップグレード後からこの洞窟を訪れるプレイヤーの人数は3倍以上に
必然的に二人の会話の時間は減ってしまったけど、それでも僕はミランダが活躍をする姿を見られるのが嬉しかった。
このゲームでは戦闘を行うことの出来るプレイヤーやNPCは共通して三種類の魔法やスキルを実装することが出来る。
下位、中位、上位の3つの
少ないけれど、その限られた
もちろん最初から誰でも強い魔法やスキルが選べるわけじゃなくて、レベルが上がるにつれて選択できる種類が増えていく。
スキルの組み替えも自由自在だ。
闇の魔女たるミランダは3つの
そして彼女の装備武器である『
この杖の先端には漆黒の鎖が取り付けられていて、伸縮自在のそれがプレイヤーたちを打ちのめし、縛り上げては葬り去っていった。
さらにミランダのような高レベルのキャラクターは、3つの
当然、この
そしてアップグレードによって
相手の息の根を止める確率が50%から33%に減退したものの、それまで彼女の体力が3分の1以下までに減った場合にのみ発動する条件だったのが、体力が半分になった時点で発動するように調整された。
これによりミランダは戦闘中、以前よりも早い段階で
よりスリルと緊迫感を演出することができるってことらしい。
とっつき
ちなみに僕はアップグレード後もまったく変わり
戦闘に参加しない一般NPCだから実装できる魔法もスキルもないしね。
アップグレードから取り残されて何一つ変更点がないって一般NPC軽視もいいところだと思わない?
セリフの一言一句まで以前と変わらない僕を見て、ミランダは勝ち組が負け組を憐れむように感想を漏らした。
「成長しない男ね」
……僕のせいじゃないですよね?
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