　今年(※執筆時)の６月２０日にツイッターで謎の新興宗教と言う意味深なワードがトレンドに上がりました。トレンドにそう言う言葉が乗っかるのも珍しかったので、ホイホイと内容を確認したのです。

　すると、そこで話題になっていたのは『不二阿祖山太神宮』でした。おん？　と思って話題のツイートを読むと、この不二阿祖山太神宮は富士宮下文書をベースにした宗教団体で、２００９年に設立されたものだと言う事が分かりました。なるほど、それなら確かに新興宗教です。

　では何故トレンドに上がったのか。この宗教に肩入れする有名人が多くなった為みたいです。日本はオウムや旧統一教会のイメージで新興宗教＝危険と捉えがちなんですよね。なので、こいつもきっと怪しいものにちげえねえ！　第二の日本会議やあ！　みたいなアレで話題になったみたいです。

　肩入れする有名人の中には安倍元首相の奥さんの昭恵氏や、元競泳選手の北島康介氏、元柔道家の吉田秀彦氏などがいるそうです。

　２０１５年に昭恵氏がイベントの名誉顧問に就任すると、７１人の現役国会議員が顧問などとして関わり、９つの中央官庁、１９の自治体、８つの教育委員会、計３６もの行政機関が後援として名を連ねたのだとか。地元メディアと毎日新聞社のような全国メディアを含め計７社が後援。コビッド禍の２０２１年でも５８人の国会議員を動員したのだそうです。現在(※執筆時)、昭恵氏の後任で名誉顧問をしているのは石破茂氏なのだとか……。

　２００９年の設立からの急成長率がエグない？　これは確かに怪しいと思ってしまう気持ちも分かりますわ。真相は分かりませんけど。

　６月２０日にいきなり話題になったのはオリンピックのメダリストがその活動に参加したのが大きいのですけど、だからってそれだけの話です。この団体がよからぬ事をしていると言う事で注目された訳ではありません。

　強いて言えば、この団体の主張が荒唐無稽なのでツッコミが入ったくらいですね。

　話をぐいっと戻してこの団体、元々は富士宮下文書の研究をしていた教祖がかつて存在していた不二阿祖山太神宮を再建しようとしていて、神様事をするんだったら宗教団体にした方がいいと言う流れになって設立したものなのだとか。

　なので、教祖の人は宮司の後継者一族でも、神道の神職ですらないのだとか。あちゃー。この時点であちゃー。

　不二阿祖山太神宮のサイトを見ると、教祖の渡邉政男氏は『大宮司聖主様』と呼ばれているのだとか。元々ただの古史古伝マニアだった人なのに……（汗）。

　団体の活動自体はとても平和的なものですよ。みんなで田植えしたりフェスをしたり宗教的な催しをしたり。危険思想的なものはありません。不二阿祖山太神宮を再建しようとする目的も、神宮を再建すれば富士山の噴火を止められるからと言うもののようですしね。

　素人が見様見真似で作った宗教団体にしては色々と最初から整いすぎていますし、きっと強力なバックがあるのでしょう。教祖の人の人脈作りもすごいのでしょうね。多数の政治家や有名人が集まる……政治家の場合は票に繋げようと言う思いが強いのでしょうけど、既に信者の多い教団ではなく出来たばかりの教団に狙いを定めたと言うのは、最初からそれ目的で支援しているのかも知れません。

　この団体に何かしらの可能性を感じたんやろね。先生方お抱えの霊能者に指示されたとかなのかしら？

　ちなみに教祖の人は元ネタの宮下文書をかなり盛って教義にしているようです。元ネタ通りだとインパクトが足りなかったのかしら？　アウストラロピテクスの時代に存在した神社を再興しただとか、キリストはここで修行しただとか……。竹内文書のパクリかな？（汗）

　まぁこの騒動で言える事は、活動が平和的ならいんじゃね？　ってところでしょうか。悪質な宗教ビジネスをしているなら問題ですけど、そう言う事でもなさそうですし。話題になったのも有名人まで夢中になってるよ、何故？　ってものですしね。

　ただ、背後の政治家の動きは気になりますかねえ。個人的にはそのくらいですね、ええ。