-第8話-【東京区第一分隊】

「…えー、以上で説明を終わります。そのまま教室に戻ってください。」

ふぅ、終わった〜。緊張した〜。

「なあ、コマ。今日この後どうする?俺ら、休みだよね?」

「あー、そうだなー。どうすっか。」

うーん。この辺で何かあるっけな…。俺らはそんなのんきなことを考えていた。その刹那、

『ビー!ビー!』

例によってけたたましくサイレンが鳴り響いた。まじか!完全に不意をつかれた。ちくしょう!

「1年はさっきの防弾チョッキを着て、第一防弾室に移動して!」

橘隊長が叫んだ。まさか、さっき教えてもらったことを今実践するとは思わなかっただろう。しかし、話をちゃんと聞いてた奴はきちんと着れたのに、話を聞かずに寝ていた奴らは何をどうしたらよいのか分からなかったらしい。俺からしたら普通はざまあみろと思うが、今は逆だった。一分一秒でも遅れてはならないのに、手こずっている奴のせいで全体の避難も遅れるし、俺らも教えるために人員を削がなきゃならない。

「くそっ!しょうがない…。」

橘隊長、あれだすんですか…。正直、俺らはあいつらが苦手だ。学防隊の中でも。

『待機中の東京区第一分隊を現場に向かわせろ!俺らも避難誘導が終わり次第、合流する!』

橘隊長は無線に叫んだ。誘導が終わり次第、とか言うけど、今まであの分隊が出たら五分と経たずに襲撃者達を追い返す。学校に多大な損害を出して。全く、もうちょっと普通の戦い方は無いのだろうか。まあ、彼らがいないと俺らも辛いんだけどね。何たって奴らは東京区第一分隊=【特殊戦闘武器実験部】だから。奴らが持っている武器は、色々あるが、爆弾なども作り始めた始末だ。まあ、そこで使えるって判断されたら、俺らも使えるようになるんだけどね。奴らがいないと、日々変わっていく戦場で、俺達が戦うことは出来なくなる訳だ。ただ、使い方があまりに雑でなかなか損害を出す割に、俺達のおかげだぞ!ドヤ!みたいな事言ってくるから、皆嫌いなのだ。

「さぁて、俺らも行くか。コマ!」

「そうだな、分隊長!」

俺とコマは学防隊第2通常戦闘待機室に向かった。

「っ!」

「おいおい、嘘だろ…。」

この世界に、いつも通りなんてないらしい。

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