第4話 へたれ
今朝はいつもと違い、朝起きるのがかなり早かった。
セットしていたアラームも鳴っていなかったのに
いつもなら遅刻ギリギリに起きるから、
「今日は早いなー風邪か?」とか母親から言われると思ったけど、
いつも通りでとくに変わったことは言われなかった。少し不思議に思いつつも気にするほどじゃなかった。
ただ、妹の美香が一緒に学校に行こう!と言い出したのはあまりにも不自然だった。
美香とは特別仲が悪いというわけでもない。家の中では
ただ、外になると俺と兄妹と思われたくないのか、凄く冷たい。むしろほとんど他人のような感じになる。
そんな美香が朝から変なことを言い出し、今も隣で一緒に登校している。しかもニコニコしながら
(何か企んでいるのか?家族みんなでドッキリか?
いや、俺の家族がそんなしょうもないことをするとは思えない…。)
などと、考えながら歩いていると、昨日振られた女、天霧恵とたまたま出くわしてしまった。
(…うっわーーー気まず!まぁ、さすがに相手も気まずいからスルーだろう…)
「あ!海斗くんおはよう!あれ?妹いたんだ!可愛い!私も一緒に登校していい?」ニコニコ
(は?海斗くん?初めて呼ばれたぞ。何を考えているんだ?なんでそんなに嬉しそうな顔してるんだ?アホなのか?アホなら仕方ない。いや、いいわけないだろう。そもそもなんで振られ)
「いいですよー!!ね、お兄ちゃん!」ニコニコ
(こいつもアホだったのか、俺が振られたこと知っているだろうに。わざとか?わざとなのか?
俺にもプライドってもんがあるんだ。男らしくバシっと言わせてもらうか)
「え?う、うん。道一緒だしな!!」ニコニコ
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