第62話 小話4の1 学園祭が始まった
10月28日土曜日。
天気晴れ。
この島の一大イベント。
隣の魔法技術大学と同時開催の学園祭が始まった。
俺は結局ロボコンには参加しなかった。
どうもルール上俺的に気に入らない部分があったからだ。
例えば反則行為で『相手のロボットを倒したり拘束したりする行為』は禁止。
だが、例えば双方のロボットの大きさが違いすぎて片方が前に進めなくなった場合は拘束になるのかとかが不明。
他にも武器が威力無さすぎてロボットの性能差が出にくくなっているとか。
まあ個人的な意見なので無視してくれてもいい。
でも俺としては納得いかないルールで戦って、納得いかない結果になるのは面白くない。
どうせならルールは最小限にしてガチガチの勝負でやりたいと思うのだ。
壊れてもリペアルールなんて半端な救済措置なしのガチ勝負で。
そんな訳で今回は参加せず、学生会の活動に専念することにした。
「賑わっていますね、今年も」
現在地は教室棟上空50メートル。
でかでかと『魔法高専学園祭』と書いた紙を貼ったマイクロバス内だ。
学園祭での学生会の仕事は主にトラブル対処。
細かいトラブルは第一には学園祭事務局で対応する。
でも予算措置が伴ったり研究会同士等で裁定が必要な場合は学生会の出番になる。
なおこのマイクロバスは宣伝用の飛行船のつもりで飛ばしている。
勿論何か出番があれば飛行するなり降りるなりするが。
「事務局池尻より学生会宛、一階1E付近で迷子保護」
「学生会了解す。親が1A付近でその子を探している筈す。親は女性35歳位。水色のポロシャツにジーパン姿す。捜索して接触願うす」
「池尻了解。ありがとうございます」
こういった時に有能なのはジェニーだ。
色々な目的に使える様々な探知魔法を持っている。
迷子、トラブル、落とし物等ほぼ何でもお任せ状態だ。
現在この
学生会幹部の3人は視察という名目で学祭を見物中だ。
まあ何かあれば連絡用魔道具ですぐに呼び出せるし、3人もここに詰めている必要もないのだが。
「2人は学園祭って来たことある?」
「私は無いす」
「私は去年来ました。由香里姉に案内して貰ったです」
「なら次交代したら3人で回ろうか」
「賛成です!」
「いいす!」
2人共乗り気のようだ。
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