第47話 小話1の1 黒船襲来大混乱
「本日から魔法補助科1年に転入されます、ジェニス・ブルーリーフヒルさんをお連れしました」
「ジェニスと申します。ジェニーって呼んでくさい。よろしくお願います」
こっちも全員立ち上がって挨拶する。
「私は薊野由香里、学生会の会長で攻撃魔法科の4年、そこの香緒里の姉よ。よろしくね」
「私は鈴懸台翆、副会長で同じく攻撃魔法科4年だ。よろしくな」
「書記と会計を務めております月見野朱里ですわ。ジェニーさんと同じ補助魔法科の4年よ、よろしくお願いしますね」
順繰りに挨拶が出て俺の番だ。
「魔法工学科2年の長津田修、ここの手伝いをしている。よろしく」
と、俺の紹介のところでジェニーの視線が動いた。
「あなたが、魔法工学科の学生さんの、オサム・ナガツダさんすか」
何だろう。
でもその通りなので俺は頷く。
と、いきなり彼女は俺に飛びついてきた。
3メートル位は間合いがあった筈なのに。
「+*!#$%&?……」
何か俺を抱きしめて言っているが、早口の英語なので何もわからない。
ただ感じるのは彼女の柔らかい感触と触れ合った部分の熱さ。
そしてシャンプーかな、いい香り。
だがこの状態が続くとマズい。
俺の健全な男子の体が反応してしまう。
と、俺の背に回していた腕の力が緩む
ジェニーが俺を開放してくれた。
「ごめんなさい。嬉しかったのでついつい抱きついてしまいました」
って、抱きつくのってついついやる事だろうか。
由香里姉から怒りのオーラが出ているのが横目にも見える。
それを面白そうに観察する鈴懸台先輩。
観察しつつもそれとなく重要書類を机の中に退避させている月見野先輩。
不穏さが徐々に高まりつつある。
「この学校に転入したは、オサム・ナガツダさん、あなたに会うためす。一生懸命勉強したし日本語も話せるようなりました。褒めください!」
部屋の気温がすっと5度くらい下がった。
危険な兆候だ。
でも俺は彼女に見覚えはない。
でも、何かが引っかかる。
「まだわからないすか。ではこれでわかるすか」
そうジェニーは言って、不意に自分のスカートを捲りあげる。
おいおい一体!と思ってそして俺は気づいた。
「ひょっとして手紙をくれた、あの義足の」
「そうす。ジェシーす。やっと会えまた!」
そう言って再びジェシーは俺に抱きついてきた。
抱きつかれて必死に自制心を発動させている俺の耳に、ばたっ、という人が倒れるような音がする。
何の音かは想像つく。
由香里姉が危険な状態になったので、月見野先輩が気絶させたのだろう。
下がる一方だった部屋の気温が元に戻りつつあるのがその証拠だ。
でも今度は俺の視界が急に色あせてきた。
あ、この感覚には憶えがある。
これは香緒里ちゃんの自衛兵器の発動……
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