電柱考
日本には電柱(電信柱)という独特な宗教設備がある。それは町全体至るところに立てられ、電線と呼ばれる線によって、電柱同士を結んでいる。電線は各家屋と繋がっている。このことは、共同体という概念を具体化しようという意思がはたらいた結果と捉えられそうだ。
この電線は彼らにとって神聖であるため、神職を負うものだけが触れることを許されている。一般の者がこれに触れるとき、デンキと呼ばれる神によってその命を奪われると信じられている。そのため、万一、物が絡んだり、電線がちぎれても、彼らが直接電線に触れることを避ける。
これら電柱、電線信仰の本源を辿ってみれば水や火といった自然への信仰と繋がっている。彼らは自然的な力によって自分達の共同体があるのだという意識をもっているようだ。
この電柱による共同体観念の形成と関連するかと思われる呪物に、吊革が挙げられるが、これについては次回の考察にまわす。
(次回はない)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます