最後の願い

「白蛇様白蛇様、どうか愚かな俺の願いを叶えてください。俺の上書きされた約束を、今一度だけ叶えてください」








 願った。お前が忘れられないようにと。お前を、せめて記憶の中くらいには留めておきたいと。

 傲慢なのも、我儘なのも、自分勝手だってのも全部全部解ってる。でも願わずにはいられない。お前のことが忘れられるのが耐えられない。お前を思い出せないことを、……思い出せない俺を許せない。


 供物なんて無い。対価はだから……俺自身。








 お前を思い出せたなら、俺はお前のもとに行く。お前と同じことをする俺を……あんたは笑うか? 白蛇様。

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