お前の名前を、顔を忘れた
親父曰く、お前は幼馴染み。
俺は全く覚えてなかった。
俺が発症したのは、記憶を眠る毎に失うという……前代未聞でファンシーな奇病。
毎日お前は見舞いに来てくれたらしいな。だが俺はその時既に……お前の名前を、顔を忘れていた。
その頃つけてた日記には、そう言ったときのお前の表情……絶望が浮かび上がったそれについて詳しく書いてあった。……悪趣味と言われそうだが、俺はその時その顔を……綺麗だ、と思ったらしいな。小さく書いてある。
今の俺が読んでも、少し変態ちっくに思うよ。
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